「できない」という思い込みを崩すのは難しい
人はなかなか変わらない、と言います。しかし時には、こうもコロッと変わるのか? と感じることがあります。
「電話加入権を除却しなさい!」
と言うと、
「そんなことできませんよ!」
と、何度言われたことか。
「ウチの税理士はダメって言ってます!」
「知り合いの税理士に聞いてもダメって言ってます!」
「できるって言う人は、誰もいません!」
ダメと言うのは、税理士です。その税理士と懇意な経理担当者も、そう思い込んでいるのです。何度言っても、かたくなに、その姿勢を崩しません。
で、ある経理担当者に、NTTのホームページを教えました。
「今や、NTTが、電話加入権譲渡手続きをバックアップしているんですよ」
「それでもダメだと言うんですか?」
と、伝えました。
そのあと、その経理担当者は、NTTのホームページを見たようです。で、後日に顔を会わしたとき、興奮気味に、こう言ったのです。
「いやぁ、電話加入権って、譲渡できるんですよ!」
「何を言うか」よりも、大切なのは「誰が言うか」
驚きました。さも、自分が発見したかの勢いで、熱くしゃべるのです。これまでの自分の姿勢は、なかったかのごとく、なのです。
「だ、か、ら、今まで何度も言ってるじゃないですか?」
という思いもありますが、まあそこは、素直に聞き入れます。オフバランス、できたのですから。
今回の場合、NTTが手続きを紹介している、ということが、その人の考え方を変えさせました。
同じように、
「NTTのホームページを見せたら、税理士も納得しました!」
ということで、電話加入権譲渡できた事例を、いくつも聞きました。
経営者は除却したいけど、「税理士がウンと言わない!」というパターンが多かったのです。
なんだかんだ言っても、大企業の影響力は、スゴイのです。
「あの、天下の○○がこう言うんだから・・・」
ということに、人は弱いのですね。
「何を言うか」よりも、大切なのは、「誰が言うか」、ということを、思い知らされた一件だったのです。