今回は、「電話加入権の除却」を税理士に納得させる方法を紹介します。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

「できない」という思い込みを崩すのは難しい

人はなかなか変わらない、と言います。しかし時には、こうもコロッと変わるのか? と感じることがあります。

 

「電話加入権を除却しなさい!」

 

と言うと、

 

「そんなことできませんよ!」

 

と、何度言われたことか。

 

「ウチの税理士はダメって言ってます!」

「知り合いの税理士に聞いてもダメって言ってます!」

「できるって言う人は、誰もいません!」

 

ダメと言うのは、税理士です。その税理士と懇意な経理担当者も、そう思い込んでいるのです。何度言っても、かたくなに、その姿勢を崩しません。

 

で、ある経理担当者に、NTTのホームページを教えました。

 

「今や、NTTが、電話加入権譲渡手続きをバックアップしているんですよ」

「それでもダメだと言うんですか?」

 

と、伝えました。

 

そのあと、その経理担当者は、NTTのホームページを見たようです。で、後日に顔を会わしたとき、興奮気味に、こう言ったのです。

 

「いやぁ、電話加入権って、譲渡できるんですよ!」

「何を言うか」よりも、大切なのは「誰が言うか」

驚きました。さも、自分が発見したかの勢いで、熱くしゃべるのです。これまでの自分の姿勢は、なかったかのごとく、なのです。

 

「だ、か、ら、今まで何度も言ってるじゃないですか?」

 

という思いもありますが、まあそこは、素直に聞き入れます。オフバランス、できたのですから。

 

今回の場合、NTTが手続きを紹介している、ということが、その人の考え方を変えさせました。

 

同じように、

 

「NTTのホームページを見せたら、税理士も納得しました!」

 

ということで、電話加入権譲渡できた事例を、いくつも聞きました。

 

経営者は除却したいけど、「税理士がウンと言わない!」というパターンが多かったのです。

 

なんだかんだ言っても、大企業の影響力は、スゴイのです。

 

「あの、天下の○○がこう言うんだから・・・」

 

ということに、人は弱いのですね。

 

「何を言うか」よりも、大切なのは、「誰が言うか」、ということを、思い知らされた一件だったのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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