今回は、「借りてください」と言ってきた銀行が態度を変える理由を紹介します。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

決算書の内容が変わると銀行員の態度も変わる

人はなかなか変わらない、と言います。しかし時には、こうもコロッと変わるのか? と感じることがあります。

 

これは、人ではなく、銀行、ですね。なので、逆もあります。「借りて下さい!」から「貸せません!」というパターンです。とにかく、営業担当者の態度が、コロッと変わるのです。

 

「そんなこと、誰が言ってましたっけ?」

 

と、言わんばかりの態度なのです。

 

原因は、はっきりしています。決算書が良くなったのか、悪くなったのか、の、どちらかです。

 

良くなってきて、借りる必要の無いときには、「借りて下さい!」と、言ってきます。しかも、

 

「外国債券を買いませんか?」

「マンション投資がさかんですよ」

「速いモノ勝ちですよ」

 

などなど、儲け話しをささやいてきます。

 

で、「まあ今なら大丈夫か」と安易に考え、手を出します。3年後、5年後、その借入返済が、ガンになってきます。そうなると、みるみるうちに、決算書が悪化します。

 

いよいよ返済資金が不足し、追加融資を申し込みます。そこで、

 

「もうこれ以上はご融資いたしかねます」

 

つまり、「貸せません」と、言われます。

リスクが大きい本業以外での借入

本業以外に余計なコトをしなくても、環境は変わり、好況・不況の波があるのです。不況期の資金繰りは、決してラクではありません。その上に、さらに余計な借入がのしかかると、考えることは、資金繰りのことばかりになります。

 

これでは、冷静な判断や経営など、できません。ましてや、攻めの戦略など、考えられなくなります。

 

言いたいのは、

 

「銀行が勧める投機商品には、手を出さないでください」

 

ということです。その結果、苦労をされた人にしか、お目にかかったことがないのです。甘い汁は、いっときのものなのです。

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    本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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