5月の米ドル/円予想レンジは137~147円
ところで、これまで見てきたように、4月に入り「米国売り」が拡大したことで、米ドル/円は一段安となりましたが、それ以前の3月までの米ドル/円の下落は米景気減速の可能性などを受けた日米の金利差の縮小に反応したものでした。その意味では、何とか「米国売り」再燃を回避できても、米景気が2022年以来の減速が続くようなら、基本的な米ドル安・円高の流れが転換するということまでにはならないのではないでしょうか。
「米国売り」が再燃した場合は米ドル/円は一段の下落に向かうリスクが高まり、それが回避された場合でも米景気減速が続くなかでは米ドル高・円安への戻りは限られる。そういった見方を踏まえ、5月の米ドル/円は137~147円で予想したいと思います。
4/28~5/2の米ドル/円予想レンジ=139~145円
今週は水曜日に2025年第1四半期の米GDP発表が予定されています。そして木曜日から5月になりますが、雇用統計など4月の米景気指標発表が始まります。事前予想では、GDPも4月の米景気指標も急悪化の予想となっていますが、それを見極めることが今週の大きなテーマになります。
また、1日には日銀の金融政策発表が予定されており、今回の政策変更は予想されていないものの、金融市場が過敏に反応するイベントだけにこれを受けて為替相場の値動きが拡大する可能性には注意が必要でしょう。
それにしても、最大のテーマは引き続き「米国売り」再燃を回避できるかであり、それを巡る綱渡りが続く可能性が高いのではないでしょうか。そういった中で、米ドル/円は上値が限られ荒い値動きが続きそうです。以上から、今週の米ドル/円の予想レンジは139~145円とします。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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