景気指標の発表を控え神経戦…“米ドル安”のリスク継続、今週のドル円〈139~145円〉で綱渡りか【国際金融アナリストが解説】

4月28日~5月2日の「FX投資戦略」ポイント

景気指標の発表を控え神経戦…“米ドル安”のリスク継続、今週のドル円〈139~145円〉で綱渡りか【国際金融アナリストが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

4月のドル/円はトランプ氏の相互関税発表をきっかけとした「米国売り」で最大10円超下落し、一時140円を割り込みました。GDPや雇用統計の発表、日銀会合を控え、米国売り再燃の行方がカギとなるなか、どのような値動きを見せるのでしょうか。マネックス証券チーフFXコンサルタント・吉田恒氏が解説します。

「米国売り」は対米投資の引き揚げ、「米ドル離れ」

4月2日、トランプ大統領が自身の肝煎りの政策である相互関税を発表すると、間もなく世界的に株価が急落し、その一方で米金利は急騰に向かう「トランプ・ショック」となりました。米金利が急騰したことで、これまで見てきたように金利差と米ドル優位は拡大したわけですが、それを尻目に米ドルは下落が拡大するところとなったわけです。

 

このように金利が上昇する中で株価と通貨が下落することを「悪い金利上昇」と呼びます。または金利上昇は債券価格の下落ですから、株、債券、通貨の「トリプル安」、それが今回は米国で起こったので「米国売り」とも呼ばれます。つまり米ドルの下落は、3月までとは異なり、4月に入り相互関税発表のあとからは「米国売り」の結果に変わったということでしょう。

 

ところで、金利差の変化の中身を独米で見ると、4月に入ってからは米金利が上昇する一方で独金利は低下が続いていました(図表4参照)。前者は米国債価格が下落していること、そして後者は独国債価格が上昇していることを示しています。これを見ると「米国売り」は、対米投資をユーロ圏などへ引き揚げている可能性もあるのではないでしょうか。米国からの資金還流、米ドル建てポートフォリオ見直し、いわゆる「米ドル離れ」といったことがもしも始まったなら、それは一時的にとどまるか微妙かもしれません。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表4]独米の10年債利回りの推移(2024年12月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

 

8/23(土)THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER 連動企画
「THE GOLD ONLINE 川柳コンテスト」作品募集!

※募集期間:6月1日~8月13日

次ページ5月の注目点…「米国売り」再燃は回避できるのか

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録