(※写真はイメージです/PIXTA)

「富裕層」といえば、高級住宅街に住み、高級車を乗り回す姿をイメージする人が多いでしょう。しかし現実には、驚くほど質素な服を着て、周囲に決してお金持ちだと悟られないように暮らす資産家たちが一定数存在します。彼らはなぜ、巨額の富を持ちながら、あえて「ひっそりとした生活」を選ぶのでしょうか。FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が山本清一さん(仮名)の事例を通じて、お金と幸せの距離感について考えます。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】

八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

「アロハシャツの半額老人」…誰も知らない資産家の素顔

山本清一さん(仮名/72歳)は、地方都市の静かな集落で一人暮らしをしています。住まいは、空き家バンクでみつけた築50年の一軒家。壁の塗り替えや床の修繕も業者には頼まず、ホームセンターで材料を買い揃えて自らリフォームしました。そこを終の棲家として淡々と老後の日々を送っています。

 

一見すると、年金暮らしでお金に困っている高齢者のようにもみえますが、実態は大きく異なるようで……。

 

清一さんの一日のハイライトは、夕方、近所のスーパーで弁当が半額になる時間帯に訪れること。真夏はヨレたアロハシャツに麦わら帽子、サンダル姿が定番で、店員からもすっかり顔を覚えられています。白髪の長めの髪に、少し日焼けした肌。身なりに清潔感はあるものの、買い物かごに入れるのはいつも半額シールの商品ばかり。店員のあいだでは、「あのおじいちゃん、なにをしていた人なんだろう?」と噂されるほど、謎めいた存在です。

 

そんな清一さんの極端な倹約ぶりは、食費だけにとどまりません。

 

彼には持病があり、自宅から5キロ離れた病院へ毎日通院しなければならないのですが、決してバスやタクシーを使おうとしないのです。体調が万全でない日も、雨の日も風の日も、片道90分以上かけて徒歩で通います。「健康のため」と周囲には笑って話しますが、その本音は「数百円の交通費すらも切り詰めたい」という執念に近いものでした。

 

毎日顔を出す病院の待合室は、清一さんにとってささやかな社交場でもありました。「今日はまた一段と寒いねえ」「あそこの畑の大根は出来がいいらしいよ」 顔なじみの患者たちと、笑顔で他愛もないおしゃべりに花を咲かせます。

 

また、地域の夏祭りやイベントにも顔を出し、誰とでも笑顔で会話をする社交性も持ち合わせていました。しかし、その一方で、深い人間関係をつくることは決してありません。仲の良い友人もいない、家族もいない、連絡先を交換しても連絡することはほとんどない。

 

「表では明るいのに、どこか心の扉を閉ざしている」そう評されるような雰囲気が、常に漂っていたのです。


 

次ページ5億円を手にした理由

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録