今週の注目点…米金融市場は安定化できるか?
今週は、3月の小売売上高など、注目度の高い米経済指標発表が多数予定されています。
これらの結果を受け、米景気の減速の程度を確認するのが基本になるでしょう。ただし、すでに見てきたように、米国株、債券市場の急落など、金融市場が急に不安定化したことにより、それを安定化させることができるかが、景気動向以上に大きな焦点になってきた可能性があります。
ヘッジファンドの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、8日時点で買い越しが14.7万枚に拡大し、過去最高を更新しました(図表5参照)。
為替市場が記録的な規模で米ドル売り・円買いに傾斜している可能性があることから、なにかの拍子でこの修正が本格化した場合は米ドル高・円安に大きく戻す可能性はあるでしょう。
そのカギになるのは、米金融市場の安定化だと思いますが、これまで見てきたことからすると簡単ではないかもしれません。
以上を踏まえると、今週も米ドル/円は基本的に上値が重く、値動きの荒い不安定な展開が続く可能性が高いのではないでしょうか。今週の米ドル/円は140~146.5円と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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