元公務員の父が退職金と貯金を投げうって始めた賃貸事業は順調だが…それでも50代姉妹が「80歳母の遺産1500万円」の相続に前向きになれない〈ある一家〉の事情【相続の専門家が解説】

元公務員の父が退職金と貯金を投げうって始めた賃貸事業は順調だが…それでも50代姉妹が「80歳母の遺産1500万円」の相続に前向きになれない〈ある一家〉の事情【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった母が父親の借入の連帯保証人だった場合、相続はどのように行えばよいのでしょうか。本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、連帯保証がある場合の相続の仕方について詳しく解説します。

母親が亡くなって相続に

美佳さん(54歳女性)の母親が亡くなり、「これから相続の手続きが必要だが、相続放棄をしたほうがいいだろうか?」と相談に来られました。

 

美佳さんの母親は80歳で亡くなりましたが、相続人は父親と子どもが2人。長女の美佳さんと妹の由佳さん(50歳)です。基礎控除は4,800万円です。母親の財産は預金のみ、その範囲内に入ると言います。美佳さんの心配は相続税ではなく、連帯保証人の件だと言うのです。

母親は父親の借入の連帯保証人になっている

父親は20年前に賃貸事業を始めると言って、80坪の土地を購入して、賃貸ビルを建てています。賃貸ビルは1階が店舗4室、2~4階が2LDKの住居12室です。父親が1階の1室をオフィスとして使用し、2階の1室を自宅として夫婦で住んでいました。

 

父親は別の土地に祖父から相続した自宅がありましたが、そちらは賃貸に出し、別荘感覚で海に近い立地を探したようです。母親は、その建築費の借入の連帯保証人になっているといいます。

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