元公務員の父が退職金と貯金を投げうって始めた賃貸事業は順調だが…それでも50代姉妹が「80歳母の遺産1500万円」の相続に前向きになれない〈ある一家〉の事情【相続の専門家が解説】

元公務員の父が退職金と貯金を投げうって始めた賃貸事業は順調だが…それでも50代姉妹が「80歳母の遺産1500万円」の相続に前向きになれない〈ある一家〉の事情【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった母が父親の借入の連帯保証人だった場合、相続はどのように行えばよいのでしょうか。本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、連帯保証がある場合の相続の仕方について詳しく解説します。

建築費は1億5,000万円

父親が土地を購入したのは公務員の仕事を定年退職したときです。退職金と貯金を出して土地は買えたようで、建築費は土地を担保にしたと聞いています。そのときに母親が連帯保証人になったということです。

 

美佳さんと妹は、2人とも嫁いで実家を離れていますので、父親が土地を買って賃貸ビルを建てることなど決まってから知らされたくらいですので、父親と母親が2人で進めた事業だと言えます。

 

今回、母親が亡くなったことを機に、確認すると建築費の借入は当初は1億5,000万円あり、25年経過した現在の借入残は5,000万円程です。返済期間はあと5年ありますが、ビルと元自宅の家賃収入で返済できています。

父親の賃貸事業は?

美佳さんと妹は母親の相続について、相続放棄をしたほうがいいだろうか? というのが相談の内容でした。母親の財産は預金1,500万円程。母親独自の借入はないのですが、父親の借入の連帯保証人になっていることが不安だといいます。

 

借入金の返済は月額、約60万円。家賃収入は自己使用以外の部分が満室稼働している場合は月額、約100万円あり、特に問題なく返済していけるバランスでスタートしています。その上に元自宅の家賃15万円が入っていますので、余裕はあると言えます。

 

しかし、築25年となり、最近では店舗に2か所空室があり、住居の11世帯でも3室が空室となるなど、賃貸収入が減っていることが不安材料だといいます。

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