元公務員の父が退職金と貯金を投げうって始めた賃貸事業は順調だが…それでも50代姉妹が「80歳母の遺産1500万円」の相続に前向きになれない〈ある一家〉の事情【相続の専門家が解説】

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(※写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった母が父親の借入の連帯保証人だった場合、相続はどのように行えばよいのでしょうか。本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、連帯保証がある場合の相続の仕方について詳しく解説します。

連帯保証がある場合の相続の仕方

亡くなった母親が連帯保証人であった場合、その保証債務を相続人である子どもが引き継ぐ必要があるかどうかを以下に説明しておきましょう。

 

連帯保証債務は原則相続される

1. 基本原則

・連帯保証債務は、被相続人(お母様)の債務とみなされ、通常は相続人に相続されます。

・これは、被相続人が生前に負っていた金銭債務やその他の負債と同様に扱われるためです。

 

2. 相続する場合の負担範囲

・連帯保証債務も他の債務と同じく、相続人が引き継ぐ負担には制限がありません。保証債務の全額について返済義務を負います。

 

相続放棄をすれば保証債務は引き継がない

1. 相続放棄の効果

・相続人が相続放棄を行うと、法律上、最初から相続人ではなかったとみなされます(民法第939条)。

・そのため、連帯保証債務も含め、被相続人が残したすべての財産や負債を引き継がなくなります。

 

2. 手続き

・相続放棄は、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に申立てを行う必要があります。

・相続放棄を希望する場合、相続財産や負債の内容を早めに確認することが重要です。

 

注意点

1. 相続放棄をしない場合のリスク

・相続放棄をしない場合、連帯保証債務を相続することになり、主たる債務者が返済を滞ると相続人に返済請求が来る可能性があります。

 

2. 複数の相続人がいる場合

・相続放棄をした人は負債を相続しませんが、他の相続人が放棄しなかった場合、その人が連帯保証債務を引き継ぐことになります。

・全員が相続放棄すれば、負債は相続人全体に引き継がれません。

 

3. 限定承認

・相続放棄の代わりに、「限定承認」という選択肢もあります。

・限定承認を行うと、被相続人の財産の範囲内で負債を返済する義務を負い、それを超える債務については責任を負わない仕組みです。

・ただし、限定承認は相続人全員で行う必要があります。

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