「6,000万円実家」と「遺産5,000万円」残して〈73歳姉〉急死→数年前に亡くなった元会社経営者の父には婚外子が…〈65歳妹〉が複雑な相続に巻き込まれた二つの理由【相続の専門家が解説】

「6,000万円実家」と「遺産5,000万円」残して〈73歳姉〉急死→数年前に亡くなった元会社経営者の父には婚外子が…〈65歳妹〉が複雑な相続に巻き込まれた二つの理由【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

73歳の姉が急死したことで姉の遺産を相続することになった千恵子さんですが、実は異母きょうだいにも相続権があることが判明。代襲相続人も絡む複雑な状況に直面した二つの理由とは? 本記事では、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が事例をまじえて、できる対策について詳しく解説します。

独身の姉が亡くなった

千恵子さん(65歳・女性)が相談に来られました。

 

実家を継いでいた独身の姉が亡くなったので、その後の手続きについてアドバイスをもらいたいということです。

 

73歳の姉はずっと実家で両親と同居してきたと言います。姉の財産は父親から相続した実家(評価額6,000万円)と預貯金5,000万円です。千恵子さんのきょうだいは3姉妹。千恵子さんと妹は結婚して実家を離れています。千恵子さんと妹は仲がいいので、何の問題もないのですが、二人の他に相続人がいるというのです。

認知された子

千恵子さんの父親はかつて会社を経営していました。金銭的にも余裕があり、非嫡出子ができたことで認知をしています。このことは母親から聞いてはいましたが、当然、会ったこともなく、きょうだいという感覚はありません。

 

しかし、非嫡出子は父親の実子であり、千恵子さん姉妹にとっては異母きょうだいとなります。父親が亡くなったのはかなり前のことなので、どのような手続きをしたのか聞いてはおらず、特に印象的なことはありませんでした。

 

ところが姉が独身だったため、相続人は兄弟姉妹となり、父親が認知していることで戸籍上のきょうだいも姉の相続人という立場になるのです。

姉は急死 遺言書もない

姉は特に病気をすることもなく、元気にしていましたので、本人も千恵子さんも相続のことはまだ先のことだと思っていました。

 

ところが姉は脳出血で急死してしまい、相続の準備は何もしないまま亡くなってしまったのです。遺言書はありませんでした。

 

千恵子さんと妹は二人で姉の葬儀をし、相続の手続きをしようとしましたが、遺言書がないだけに、異母きょうだいにも相続権があるということを知り、困ってしまいました。

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