え…ウソでしょ?相続人の母と伯母を飛び越えて〈95歳祖母〉から生前贈与を受けることになった〈33歳孫〉。最後の最後に気づいた「まさかの落とし穴」に家族総出で真っ青になったワケ【相続の専門家が解説】

え…ウソでしょ?相続人の母と伯母を飛び越えて〈95歳祖母〉から生前贈与を受けることになった〈33歳孫〉。最後の最後に気づいた「まさかの落とし穴」に家族総出で真っ青になったワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

相続人の子どもが相続放棄をした場合、相続人の子である孫に相続の権利が回っていくように思いますが、実際には、相続放棄した相続人の子どもに相続権はありません。子どもを飛ばして孫に相続してもらうには、一体どうすればいいのでしょうか。本記事では、子をとばして孫に相続させる方法について、相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が解説します。

相続放棄すると、孫は相続人になれる?

相続人の子どもが相続放棄をした場合、次の世代となる、相続人の子である孫に相続の権利が回っていくように思いますが、実際には、相続放棄をした相続人の子どもに、相続権はないのです。

 

なぜなら、子どもが相続放棄をすると、次は直系尊属の祖父母へ相続権が移りますが、すでに他界されています。そうなると次は、祖母のきょうだいになります。祖母には弟がいて、すでに亡くなっているのですが、子どもが二人が代襲相続人となるため、祖母の相続権は母親たちのいとこに回るのです。

相続放棄ではない方法が必要

仮にいとこにも相続放棄をしてもらうとすると、結果、祖母の法定相続人はいない結果となり、財産は国庫に帰属するとなるのです。こうして相続人を確認していくと、スタートの相続放棄では、相続人の子どもたちには相続権が回っていかないため、別の方法を考える必要がありました。

 

真っ青になっている香菜さんらに私がご提案したのは、祖母に公正証書遺言を作成してもらい、孫やひ孫に財産を遺贈する方法です。遺言書は優先されますので、相続人である母親と叔母を飛ばして、孫である香菜さんや妹、曾孫である香菜さんと妹の子どもにも財産を先渡しすることができます。相続税は2割増しになりますが、母親の相続を飛ばすことで節税になります。

公正証書遺言の必要書類

公正証書遺言を作成する際に必要な書類は、次のとおりです。公証役場での手続きには、事前に確認と準備が必要ですので、具体的な要件については管轄の公証役場に問い合わせると確実です。

 

公正証書遺言作成の必要書類

1.本人確認書類

遺言者の本人確認のための書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

 

2.遺言者の印鑑登録証明書

遺言者の印鑑登録証明書(通常、発行後3ヶ月以内のものが求められることが多い)

 

3.遺言の内容を裏付ける資料

財産目録(不動産の登記簿謄本、固定資産税評価証明書、預貯金通帳のコピー、証券口座の明細など)

遺言で処分する財産の内容と所在地を明確にするための資料

 

4.相続人や受遺者の情報

相続人や受遺者の氏名、住所、生年月日、続柄などの情報が分かる書類(戸籍謄本など)

 

5.証人の準備

公正証書遺言の作成には、通常2人の証人が必要です。証人となる人も本人確認書類が必要です。公証人役場で証人を手配してもらうこともできます(手数料がかかります)。

 

注意点

証人の要件

証人には、未成年者や相続人、受遺者、その配偶者および直系血族などはなることができません。

 

手数料の準備

公正証書遺言を作成する際には、公証人の手数料がかかります。手数料の金額は遺言の内容や財産の総額によって異なります。

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