叔母が亡くなった
以前に相談に来られた博子さん(65歳)から再度ご相談がありました。博子さんの叔母はずっと独身だったため、姪の博子さんが一番近くに住んでいることもあり、ずっと夫婦で行き来をしてきました。
叔母は博子さんの母親の妹で、母親のきょうだいはみな亡くなっており、兄の子のいとこが3人いますが、離れたところに住んでいて叔母とはほとんど行き来もありません。
貸付金を家で返してもらう
叔母は15坪ほどの建売住宅を自分で買って住んでいましたので、財産としては家が残りました。
しかし、10年ほど前に修繕費が必要となった際に、叔母にはまとまったお金を出す余裕がないと相談があったことから、博子さんの夫が修繕費を貸すことになりました。
そうしたことがあり、叔母の家は博子さん夫婦に残すと言ってくれて、遺言書にしてあります。博子さんと夫が2分の1の割合で、相続、遺贈を受けられるという内容です。
相続税はかかる?家はどうすれば?
叔母の預金はほとんどなく、入院するときに博子さんが貸したお金が残っているくらいだと言います。路線価を調べると土地の評価は約1,500万円、建物は50万円とわかりましたので、相続税はかかりません。
相続税の申告もいらないので、税理士さんに依頼する必要はありません。博子さん夫婦は自分たちの家に住んでいるので、叔母の家に住む予定はないといいます。建物は築40年ほどで叔母の荷物もまだぎっしり。それでも更地にしたほうがいいのか、迷っているのでどうすればいいかというご相談でした。
空き家は早めに処分したほうがいい
家は空き家になると不用心で、放火や侵入などのリスクもあります。自分たちが住まないのであれば早めの処分がオススメです。
立地がよくて賃貸できるという場合は、リフォームして賃貸してもいいのですが、水回りの設備は入れ替えをはじめとして、かなりのリフォームが必要になりますし、築年数が古いことは変えられないため、賃貸に苦戦することが想定されます。
となると、早めに室内の荷物を片付けて売却していくことが現実的です。建物はすぐに壊さなくても買主が見つかり、その後でも間に合います。年度が替わると建物の固定資産税が課税されますし、そのときに更地であれば土地の固定資産税は6倍にもなりますので、要注意です。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒空き家は早めに売却してしまう。建物は売却を進める中でどうするか判断する。
●注意ポイント⇒古家でも壊してしまうと土地の固定資産税が6倍になる。建物を残したまま売却できることもあるので交渉する。
曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®
株式会社夢相続 代表取締役
◆相続対策専門士とは?◆
公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。
「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。
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