(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション選びにおいて「広さ」は重要なポイントです。選ぶ際には一人暮らしなのか家族で暮らすのかなど、条件によって広さの希望は変わると思いますが、実はその中で「最強の広さ」といえるのが「60平米」だといいます。本稿では、不動産ジャーナリストである榊淳司氏が監修を務めた、東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会による著書『東京23区 中古マンション 格差の地図帳』(宝島社)から一部抜粋し、詳しくご紹介します。

マンションの広さで「最強」といえる平米数とは?

中古マンションを購入する際、広さにとくにこだわりをもっていないなら、60平米をひとつの目安に探すといい。なぜなら、60平米のマンションには、さまざまな利点があるからだ。

 

まず、60平米あると、独り暮らしから家族4人暮らしまで、さまざまな用途に対応することができる。独り暮らしで60平米は少し贅沢に感じるかもしれないが、決して持て余す広さではない。独りで寝室、リビング、仕事部屋などに使い分けて暮らすこともできるし、友人や親族などが来たときも余裕をもって泊まってもらえる。

 

夫婦と子ども2人の4人暮らしの場合、多少コンパクトにはなるが、60平米の3LDKで、夫婦の寝室とそれぞれの子ども部屋も確保できる。もちろん、独り暮らしから4人暮らしまで対応できる60平米は、2人暮らしにも最適だ。このように、幅広い用途に対応できる60平米は、ライフスタイルの変化にも対応しやすい。

 

例えば、最初は自分1人のために購入しても、結婚後も暮らし続けることができるし、子どもが生まれても暮らし続けることができる。また、子どもが独立して夫婦2人になったら、リフォームで必要なくなった子ども部屋をリビングと一体化し、2LDKにすることもできる。

 

そして、幅広い用途に対応できるということは、売却したり、賃貸に出したりするときも、さまざまな世帯の需要に応えられるので、売りやすく、貸しやすい。

 

これも、60平米の利点のひとつだ。もし30平米の1Rだったら独り暮らしの人にしか需要がないし、80平米の3LDKなら子どものいる家族世帯にしか需要がない。

 

ちなみに、80平米の3LDKを賃貸に出す場合、子どもの入学や進学に合わせた1~3月に需要が集中するが、60平米なら一年中需要がコンスタントにあるので、空き室のまま放置せずに済む。

60平米が「税制上」のメリットにも優れるワケ

それでも、将来子どもが生まれることを見越して、最初から余裕をもって80平米の3LDKを購入したほうがいいのではないかと考える人もいるだろう。

 

しかし、子どもが生まれても、子ども部屋を必要とするまでには10年ぐらいかかるし、その10年後には子どもが独立して子ども部屋が必要なくなってしまうこともよくある。そうなると、使っていない部屋は物置部屋になるケースが大半だ。

 

60平米よりも80平米のほうが当然、購入費も固定資産税も高く、物置部屋のためにその費用をかけるのは、長期的に考えるとあまり得策ではない。

 

一方、将来結婚する予定もないので、30平米の1Rで十分と考える人もいるだろう。

 

だが、住宅ローン減税や登記時の登録免許税の減額、住宅取得等資金贈与の非課税特例などの税制上のメリットは、50平米以上(条件によっては40平米以上)あることが条件だ。

 

そういう意味で、独り暮らしの場合も、60平米のほうがコストパフォーマンスはいい。

 

 

榊 淳司(監修)

不動産ジャーナリスト

 

東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会(著)

 

 

東京23区 中古マンション 格差の地図帳

東京23区 中古マンション 格差の地図帳

榊 淳司(監修)東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会(著)

宝島社

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