不具合発覚後の改善策
修繕工事の費用は、リフォーム業者と相談して分割で支払う方法があります。自己資金を少しでも手元に残しておきたいときは、分割で少しずつ支払うように検討することが大事です。地方自治体に基づく補助金を使用して、修繕費用を抑えることもできます。自分が行う修繕工事の種類がどの補助金の対象になるか、あらかじめリフォーム業者に相談するのもいいでしょう。
また、Aさん夫妻のように配管に不具合が見つかった場合、その配管の修繕工事に加えて点検口を新たに設置しておくことも有効です。再び配管の修繕工事が必要なとき、点検口から簡単に床下や天井裏にアクセスできることで、迅速かつ容易に修繕でき費用も安く抑えられます。
今後も新たに別の配管で不具合が起きる可能性もゼロではありません。自己資金に余裕があれば、点検口の設置個所やそれに伴う費用を、リフォーム業者と相談してみるのも一つの方法です。
最悪の事態では売却という選択肢も
修繕費用が払えない場合、住宅を売却して、生活費を抑えるために賃貸住宅に移ることも検討した方がいいでしょう。住宅ローンを組んでいる場合は、売却益で住宅ローンを完済できるかどうかの検討も必要です。
Aさんの場合、幸いにも住宅を現金一括で購入しています。住宅ローンを完済できないといった問題で困ることはありません。
修繕費用を検討したうえでマイホームの購入を
築年数が30年といったような築古の住宅では、目に見えないさまざまなリスクが隠れています。特に年金生活を送っている高齢者は、多額の修繕費用による老後破産のリスクを慎重に考える必要があるでしょう。
<参考>
※国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001610299.pdf
三澤 智史
一級建築士
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