船上での贅沢なディナーに酔いしれ、退職金のうち2,000万円を使って最高の思い出を作ったはずの“65歳・シニア夫婦”…帰国後、届いた〈100万円超の請求書〉の真相に悲鳴【FPの助言】

船上での贅沢なディナーに酔いしれ、退職金のうち2,000万円を使って最高の思い出を作ったはずの“65歳・シニア夫婦”…帰国後、届いた〈100万円超の請求書〉の真相に悲鳴【FPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

長年の会社員生活を終えた解放感から、ずっと我慢していた夢の旅や大きな買い物に踏み切るシニア世代は少なくありません。「十分な老後資金があるから大丈夫」と未来を描いている人に、突如として冷や水を浴びせるのが、退職直後に発生する想定外の支出です。本記事では高橋正夫さん(仮名)の事例とともに、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が家計の「見える化」の重要性について解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

退職金で叶えた人生最高の思い出

高橋正夫さん(仮名/65歳)は、大手メーカーで営業部長を勤めたあと、定年退職を迎えました。妻の恵子さんとは結婚して40年近く。夫婦そろって旅行好きで、友人たちからも「年をとっても仲のいい夫婦」として知られています。

 

子どもたちが独立したあと、二人には長年温めてきた夢がありました。「いつか仕事を辞めたら、クルーズ船で世界一周をしてみたい」。それは、忙しい会社員生活のなかでは叶わなかった、憧れの旅でした。

 

住宅ローンは完済済み。退職金3,000万円が入り、金融資産も2,000万円以上あったため、軍資金は十分です。

 

「いましかない」

 

そう考えた二人は、思い切って約2,000万円を支払い、約3ヵ月におよぶ世界一周クルーズへと出発したのです。船上では毎晩のように豪華なディナーを楽しみ、各国の寄港地では現地の文化や景色に触れました。これまで訪れたことのない国々で過ごした時間は、まさに人生最高の思い出となりました。

 

「本当に行ってよかったな」

 

帰国の途、夫婦はこの人生で一度切りの経験を噛みしめていました。

 

ところが幸福感に包まれて自宅へ戻った二人を待っていたのは、夢見心地の気分を一瞬で吹き飛ばす「現実」だったのです。

帰国後、届いた“100万円超”の請求書

自宅に溜まっていた郵便物を整理していた高橋さんは、一通の封筒に目を留めました。中身を開いた瞬間、夫婦は思わず顔を見合わせます。

 

封筒の差出人は市役所でした。高橋さんは退職後、それまで加入していた会社の健康保険を抜け、国民健康保険へ加入する手続きを済ませていました。窓口では具体的な保険料について詳しい説明はなかったものの、本人も「まあ、仕事を辞めた身だし、そこまで高くはないだろう」と思っていたのです。

 

ところが届いた通知書には、年間100万円を超える国民健康保険料が記載されていました。

 

「えっ……こんなに高いの?」

 

高橋さんは思わず声を上げました。翌日、市役所へ電話して確認すると、原因はすぐにわかりました。

 

 

 

次ページ国民健康保険料が高かった理由

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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