(※写真はイメージです/PIXTA)

離婚後、元配偶者は相続権が失われますが、子供は引き続き親の遺産を相続する権利を持ちます。元配偶者が再婚した場合や子供の有無により、相続の状況が複雑化するのはよくあることです。本稿では、離婚後の相続権の扱いについて、子供や元配偶者が生存・死亡している場合の変化や、元配偶者の子供に財産を相続させる・させないための方法を詳しく解説します。

離婚後の相続権について

元夫(妻)の財産は、誰が相続できるのでしょうか。

離婚後の元配偶者の相続権

離婚後の夫婦は法律上、まったくの他人となります。そのため離婚が成立した時点で、元配偶者は自動的に相続の権利を失います。

 

離婚した相手(元夫・元妻)が亡くなっても、元配偶者は財産を相続することができません。

離婚後の子供の相続権

一方で、夫婦の間に生まれた子供は、離婚後も両親の遺産を相続する権利が維持されます。

 

子供の親権や監護権がどちらにあるかは関係ありません。たとえ離婚後、長期間に渡って親子の交流がなかったとしても、子供は離婚した親の財産を相続することができます。

元配偶者が死亡した場合の相続ケース

それでは元配偶者が死亡した場合、具体的にどのように遺産相続が行われるのでしょうか。様々なケースを想定し、解説していきます。

離婚前に子供がいた場合

亡くなった元配偶者との間に子供がいた場合、子供だけが相続人となります。

 

元配偶者との間に産まれた子供が、すでに死亡している場合は?

 

元配偶者が亡くなるよりも前に、元配偶者との間に産まれた子供が亡くなっている場合は、その子供の子女(元配偶者の孫)が遺産を相続します。

 

本来相続人となるべき人が死亡により相続できない場合には、その人の子供が代わりに遺産を相続することができます。これを代襲相続といいます。また、本来相続人となるべき人が欠格、排除された場合にも、その人の子供が代わりに遺産を相続します。

 

欠格とは、遺産を不正に手に入れるための特定の行動を起こした相続人が、相続の権利を失うことを指します。排除とは、被相続人に対して虐待や重大な侮辱をしたりした場合に、被相続人の意思によって相続人の相続権を奪うことができる制度のことです。

 

ちなみに相続放棄の場合は、代襲相続が適用されないので、注意が必要です。

元配偶者と再婚相手との間に子供がいない場合

元配偶者が再婚しているケースでは、相続関係がもう少し複雑になります。元配偶者と自身の間に子供がおり、かつ元配偶者と再婚相手の間に子供がいない場合、元配偶者との間の子供に加えて、再婚相手も相続人になります。

 

自身と元配偶者との間にも子供がおらず、再婚相手との間にも子供がいない場合は、再婚相手、元配偶者の両親、または兄弟姉妹が相続人になります。

元配偶者と再婚相手との間に子供がいる場合

元配偶者と自身の間に子供がおり、かつ再婚相手との間にも子供がいる場合には、再婚相手、自身との間の子供、さらに再婚相手との間の子供が相続人になります。

再婚相手に連れ子がいる場合

元配偶者と自身の間に子供がおり、かつ元配偶者の再婚相手に連れ子がいる場合には、再婚相手、自身との間の子供が相続人になります。

 

再婚相手の連れ子は、原則相続人になれません。ただし、元配偶者と連れ子が養子縁組をしていれば相続人になります。

 

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