転職においてポジションや年収が重要なことは言わずもがなですが、それと同等以上に大事なのが、皆さんの中にある「動機タイプ」です。本記事では、株式会社経営者JPの代表取締役・CEOの井上和幸氏が、エグゼクティブの転職先を決定するために重要な「3つの社会的動機」について、具体例を用いながら詳しく解説していきます。
「誰とやるか」と、良好な関係性維持が命の“関係動機型タイプ”
「関係動機型タイプ」は、人間関係を重視し選択・行動する傾向が強く、指示された内容よりも、「誰のためにやるのか」「誰と一緒にやるのか」を優先します。信頼関係や仲間を最も重視することから、他の人に嫌われることがタブーであり、それがゆえに仕事の進め方に慎重になるきらいもあります。”いいひと”、”気配り派”に見える人が、このタイプです。
「関係動機型タイプ」の方には、一定以上の組織体がしっかりあり、その中で和を保って仕事を進めることが求められる組織、企業に向いています。あるいは成長ベンチャー企業やオーナー企業などでトップが明確な指針を出し、それを忠実に実行していくための参謀役、各部のマネジャーなどでもパフォーマンスを上げるでしょう。
気をつけたいのは、上にも下にも他部門にも、「これで自分の行動は正しいのだろうか」「嫌われないだろうか」という意識が常に働きがちなため、動きが遅くなったりプロセスが冗長(関係者への説明などが過剰)になったりすることです。
所属企業がスピードや成長を求める風土であったりすると、幹部職でこのタイプは、あまりできない人、のレッテルを貼られてしまうリスクが少なくありません。基本的には関係動機型タイプのエグゼクティブは、ベンチャー企業やアジャイルに動く企業、業務が定型化されにくいクリエイティブ系やコンサルティング系の企業にはあまり適さないと言えます。
「自分で決める」ことが何より大事な”好奇心動機型タイプ”
「好奇心動機型タイプ」は、課題は与えられるものではなく自分で作るもの、個人の興味関心や問題意識がベースで仕事に邁進します。逆に言えば、会社や部署、上司が何を言おうが、自分が興味関心、テーマを感じることがなければやる気が発動されません。”自由人”、”変わり者”、”勝手な人”に見られがちな人が、このタイプです。
起業家に多いタイプで、事業開発、新規事業関連、研究開発業務に適して活躍する属性です。既存の事業部門のマネジメントでも、ミッション・ビジョン軸で、創意工夫を常に繰り返し、新規顧客の開拓が求められる領域では高い業績を残します。
一方でビジネスモデルが固まっている事業、部署やルートセールスなどにはまったくく向きません。飽きてしまい、新天地に移るか、あるいは実は最もよくないケースは、一定以上の年齢世代で、粛々と業務を最低限処理し、自分の興味関心は余暇か副業…という”あがり”を決め込む人たちです。
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株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年に社名変更、現・リクルートエグゼクティブエージェント)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。
2010年2月に株式会社 経営者JPを設立(2010年4月創業)、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 実例・実践例から導き出された公式を、論理的に分かりやすく伝えながら、クライアントである企業・個人の個々の状況を的確に捉えた、スピーディなコンサルティング提供力に定評がある。自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。
著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(共著、東洋経済新報社)、『あたりまえだけどなかなかできない 係長・主任のルール』(明日香出版社)、『プロフェッショナルリーダーの教科書』(共著、東洋経済新報社)、『人物鑑定法 あの人も、丸見えになる』(経済界)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。取材・コメント・出演実績として、「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日刊工業新聞」「週刊東洋経済」「日経ビジネス」「GQ JAPAN」「週刊現代」「プレジデント」「AERA」「月刊BOSS」「CIRCUS」「日経ビジネスオンライン」「ITmediaエグゼクティブ」「BOSS online」、フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「キカナイトF」、その他業界誌等多数。
株式会社 経営者JP
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連載相談実績2万名超の経営人材コンサルタント直伝!“エグゼクティブ転職”成功マニュアル