「子どもの権利」と離婚は別問題
ある夫婦が「離婚」をして、2人の子どもは母親に引き取られました。元妻・元夫は、もはや口もききたくないほど関係性が悪化していますが、双方共に子どもとは関わりたい。
そこで子どもたちは週の大半を、母親と新しい彼氏が住む家で過ごし、週末は近所に住む元夫(父親)の家で過ごす生活を続けていました。
元夫が仕事や用事で都合が悪い場合は、元妻が引き取り、元妻が仕事や新しい彼氏と旅行などの際は、元夫が引き取る。子どもたちはそれぞれの家で自室を与えられ、楽しそうに過ごしています。そんな子どもたちの誕生日ともなれば、彼らに関係する大人たちが大集合します。
元妻とその新彼氏、そして元夫。さらに新彼氏と元夫のそれぞれの両親(おじいちゃん・おばあちゃん)も「孫の誕生日」を祝います。相変わらず元夫婦は口をききませんが、そこは大人の対応です。
子どもに対してはにこやかに接し、かつ新彼氏と元夫のそれぞれの両親は意気投合して盛り上がるという、なかなか日本人には想像しにくい光景が広がっていると聞きました。しかもこれはレアなケースでは決してないそうです。
他の家庭でも、離婚した夫婦がそれぞれ再婚した結果、新たな家族ができ、夏休みや冬休みには両家族が集いパーティを開いたり、それぞれの子どもたちを引き取って夏休みを共に過ごさせたりすることは一般的なようです。
むしろ「結婚」と「離婚」を繰り返すことで、関係する人間の輪が広がり、関与する社会が広がっていくイメージです。
「結婚」と「離婚」。あくまでもそれは、男女(もしくは同性)の感情と意思決定の結果です。大人の個人的な決断と、「子ども」の人生は別物であるべきだという考えに、私は大いに賛同します。
最近は「親ガチャ」という言葉もありますが、本来理想とするのは、どんな親の元に生まれても、子どもたちが安心して、心身共に健康に成長していける社会です。
政府は子どもに対する経済的支援を充実させ、社会も様々な家庭の形、幸せの形があることを認め、当事者たちも縁あって「家族」となった以上は、共に幸福の形を考える。
そうした意識が日本で醸成されれば、貧困に苦しむシングルマザー(ファーザー)や、虐待で苦しむ子どもたちは減少し、何より日本国が深刻に悩む「少子化」の突破口にもなっていくのではないでしょうか。
山田 昌弘
中央大学文学部教授
社会学者
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