写真:EconomyNextより

スリランカ経済は2024年、輸出や観光業の回復により成長を遂げた。しかし、輸入の増加や通貨供給の問題が影を落とし、外貨不足や為替変動のリスクが高まっている。本記事では、スリランカの貿易収支や中央銀行の金融政策が経済に与える影響を詳しく分析し、経済学者、リカードの経済理論にも触れつつ、現代の課題を考察する。現地の政治・経済・金融に関する情報を発信するローカルメディア『EconomyNext』の報道を翻訳・編集し、お届けする。

輸出好調、スリランカ経済の回復基調

スリランカは2024年において、観光業や労働力の輸出を含む財・サービスの輸出によって262.3億米ドルの収益を得た。これは前年の232.9億米ドルと比較して12.6%の増加である。中央銀行のデータがこれを示している。

 

輸入額は2024年に188億米ドルとなり、前年より12.1%増加した。その結果、輸入を差し引いた後の残額は73億米ドルとなり、サービスへの支出、配当や利息の支払い、債務返済、外貨準備の積み増しなどに充てられることとなった。

 

この収益の内訳は、物品輸出が127億米ドル、観光業を含むサービス輸出が68.8億米ドルである。さらに、国外にいる家族からの送金として65億米ドルが正式なルートで国内に流入し、これも労働力の輸出として位置付けられる。

 

政府は、国債を発行してルピーを借り入れ、市場でドルを購入し債務を返済することが可能である。ただし、中央銀行が単一の政策金利や中間金利を維持するためにマネーサプライを増やせば、外貨不足を引き起こす危険がある。

中央銀行のリファイナンス

中央銀行が大量の通貨を発行し、金利を引き下げるために銀行へルピー準備を供給すると、リファイナンスを通じた投資向け融資が預金を伴わずに行われる。その結果、印刷された資金を用いた輸入や支出が過剰となる。

 

この中央銀行によるリファイナンス融資(インフレを引き起こす公開市場操作)による過剰支出は、外貨不足を招く。外貨準備を蓄積する仕組みを持つ中央銀行の下では、政府がルピーをドルに交換して債務を返済することが困難となる。

 

また、セイロン石油公社(Ceylon Petroleum Corporation)のような大口の外貨使用者は、ルピー収益をドルに換えることができなくなる。これは、中央銀行が「柔軟なインフレターゲット政策」の下で公開市場操作を行い、生活費を押し上げるためである。

 

その結果、セイロン石油公社は供給者信用を利用して石油輸入のための資金を調達するか、中央銀行から外貨準備を引き出すことになる。同様に、印刷された資金を用いる他の輸入業者も外貨準備に頼らざるを得ず、その結果、為替レートは下落する可能性が高まる。

 

政府もまた、債務の償還のために海外から借入れを行うか、外貨準備を取り崩す必要に迫られることとなる。

 

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この記事は、THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)が提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2025年2月23日に掲載した記事「Sri Lanka foreign exchange earnings rise to US$26bn in 2024: analysis」を翻訳・編集したものです。

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