EconomyNextより

スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う現地のローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

「潜在的投資家を引きつける」新たな取り組み

中国が支援するスリランカのハンバントタ港は、新しい設備の導入により、年間100万TEU※1(20フィートコンテナ換算)のコンテナ取扱能力を達成する見込みであり、近くコロンボとの接続輸送も開始される予定だ。

 

同港は、新たに4基の岸壁クレーンと13基の移動式大型クレーンに4,100万米ドル(約61億7,500万円)を投資し、既存の2基の岸壁クレーンと3基のRTGを補完する。

 

ハンバントタ国際港グループ(HIPG)のCEOであるウィルソン・クー氏は次のように述べている。

 

「これら新しいクレーンへの投資により、ハンバントタ港のコンテナ取扱能力は大幅に向上し、スリランカの多目的港としての地位が確立されます。この能力強化は、中継輸送業務に不可欠であり、工業地域に製造施設を設立しようとする潜在的な投資家を引き付けるでしょう」

 

また同氏は、「当港のマーケティングチームは、これらの進展を世界的にアピールし、私たちのプロジェクトに適したパートナーを見つけることに尽力しています」と述べている。

新クレーン導入でスリランカの物流能力“大幅向上”へ

近くハンバントタ港とコロンボ港を結ぶ接続輸送が開始される予定で、島内の沿岸輸送ネットワークの強化にも寄与する。また、コロンボ港と合わせると、スリランカ全体のコンテナ取扱能力は2025~2026年に1,000万TEUに達すると予測されている。

 

11月30日、MV De Qiang 66※2によって到着した4基の岸壁クレーンは、双吊り(2つの荷物を同時に吊り上げる作業)に対応し、最大65メートル先まで手が届く作業範囲を持っている。単一の荷物を吊り上げる場合は50トン、2つの荷物を同時に吊り上げる場合は65トン、フックを使用した場合は75トンの積載能力を有する。また、レールの上で42メートル、レールの下で20メートルの高さまで吊り上げが可能だ。

 

EconomyNextより
EconomyNextより

 

同日、FENG HAI DA※3によって運ばれた移動式の大型クレーンは、幅が23.47メートル、台座の間隔が6.9メートルあり、1つの荷物を持ち上げる際に最大41トンの重さに対応できる。また、コンテナを積み重ねる場合、最大で5段分の高さまで運ぶことが可能だ。

 

これらのクレーンは、環境に優しい港づくりを目指す「グリーンポート」という基準を満たしており、自動運転機能や衝突防止技術を搭載することで、効率的かつ安全な作業を実現する。さらに、港にはすでに4台の大型コンテナ運搬機と3台の空コンテナ専用の運搬機が導入されている。この新しい設備は4ヵ月以内に稼働を開始する予定で、ハンバントタ港の年間取扱能力を100万個分のコンテナに引き上げる見込みだ。

 

※1:TEU(Twenty-foot Equivalent Unit)は、貨物コンテナの大きさを基準化した単位で、主にコンテナ船の積載容量や港湾の取扱能力を測るために使用される。1TEUは、長さ20フィート(約6.1メートル)の標準コンテナ1本に相当する。

 

この単位は、貿易や物流で広く使われる。ハンバントタ港の例では、「年間100万TEU」は、20フィートコンテナ100万本分の貨物を取り扱う能力があることを意味する。

 

※2:MV De Qiang 66は、クレーンなどの大型貨物を輸送するための専用船の名前。

 

※3:FENG HAI DA は、貨物を輸送するための貨物船の名前。

 

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この記事は、THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)が提携するスリランカのメディア『EconomyNext』が2024年12月3日に掲載した記事「Sri Lanka’s China-backed Hambantota Port to start feeder service with Colombo」を翻訳・編集したものです。

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