1ドル=141円台への急落→147円台への反発も…国際金融アナリストが「円売りバブルは破裂した」と予想する、これだけの理由

8月13日~8月19日の「FX投資戦略」ポイント

1ドル=141円台への急落→147円台への反発も…国際金融アナリストが「円売りバブルは破裂した」と予想する、これだけの理由
(※画像はイメージです/PIXTA)

先週、141円台まで急落し、その後148円近くまで反発した「米ドル/円」。この流れのなかで、投機筋の米ドル買い・円売りポジションの手仕舞いによって、投機筋の円売り越しがほぼ消滅した可能性があると、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は考察します。今週の相場の展開予測と合わせて、詳しく見ていきましょう。

今週の注目点=経済指標発表による米景気への影響

過去最大規模に拡大した投機筋の円売りが、ほんの1ヵ月程度で一気に消滅した動きは、やはり「バブル破裂」と表現してよいのではないでしょうか。それには、投機的円売りが急増した、いくつかの前提条件が変わり始めていたことが大きかったのではないでしょうか。

 

その1つが「できない」と思っていた日本の円買い介入ができたということ。そして、日米金利差も10年債利回り差の円劣位が、一時3%以下に縮小するなど、円売りにとって圧倒的に有利という状況が少しずつ変わり始めました。

 

投機的円売りは、円を売って利回りの高い先に投資する円キャリー取引とも呼ばれますが、世界的な株価の最近の不安定な動きも、円キャリーを縮小させる影響をもたらす可能性があるでしょう。以上のように見ると、投機的円売りの再拡大には、おのずと限度があると考えられます。

 

今週は、PPI(生産者物価指数)、CPI(消費者物価指数)、小売売上高など、注目度の高い米経済指標の発表が多く予定されています。これらの結果を受けて、雇用統計発表後に広がった米景気への懸念がどうなるか、そして、米金利がどう動くかが注目されます。

 

ただし、すでに見てきたように、投機的円売りの再拡大に限度があるなら、米ドル高・円安の余地は限られる可能性があります。米金利の低下や、株安が再燃するようなら、米ドル安・円高への反応もありうるでしょう。以上を踏まえ、今週の米ドル/円は、144~150円で予想します。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

注目のセミナー情報

【減価償却】9月20日(金)開催
<税理士が解説>経営者なら知っておきたい
今が旬の「暗号資産のマイニング」を活用した賢い節税対策

 

【医院開業】9月26日(木)開催
【医師限定】人生設計から考える!
医療業界に精通したFPが語る〈医院開業資金〉のリスクと備え

 

【海外不動産】9月28日(土)開催
海外不動産の投資手法をアップデート!
日本国内の銀行融資を活用した最新・ベトナム不動産投資戦略

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧