8月13日~8月19日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・米ドル/円は、先週一時141円台まで急落。過度な投機的円売りの逆流と、「投機円売りバブル」の破裂が主因か。
・CFTC統計による投機筋の円売り越しは、過去最大規模を記録してから、ほんの1ヵ月程度でほぼ消滅。投機的円売りの前提条件が変わり始め、再拡大にはおのずと限度があるのではないか。
・投機的円売りの再拡大が限られるなら、円安余地にもおのずと限度がありそう。今週の米ドル/円は、144~150円で予想。
先週の振り返り=一時141円台まで円急反騰
先週の米ドル/円は、週明け直後に141円台まで一段安となりました。前週末発表された米7月雇用統計が予想より弱かったことから、米景気への懸念が強まり、世界同時株暴落、米金利の大幅な低下などを受けた動きと見られました。ただその後は、徐々に米ドル買い戻しが広がり、一時は148円近くまで反発する場面もありました(図表1参照)。
この状況下で、短期売買を行う投機筋の米ドル買い・円売りポジションは、急減したようです。ヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、7月初めには売り越し(米ドル買い越し)が18万枚以上と、過去最大規模に拡大しましたが、先週は1万枚まで縮小しました(図表2参照)。約1ヵ月で投機筋の円売り越しは、ほぼ消滅したわけです。
これは、米ドル/円の急落によって、米ドル買い・円売りポジションの損失拡大を回避するために、ポジションの手仕舞いを急いだ可能性があったものの、今回の場合は、因果関係が逆で、投機筋の米ドル買い・円売りポジション手仕舞いが、米ドル/円の下落を拡大させた面も大きかった可能性があります。