7月の失業率は景気後退のサインを示すサーム・ルールに抵触
米労働省が公表した2024年7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は、前月差+11.4万人と、6月(同+17.9万人)、市場予想(同+17.5万人)ともに下回りました(図表1)。
今回の雇用統計には、テキサス州に直撃したハリケーン(ベリル)の影響が含まれているものの、米労働省は、労働市場への影響は軽微とコメントしており、雇用鈍化の主因はハリケーン以外によるものとみられます。
非農業部門雇用者数(増加ペース)の内訳をみると、⺠間部門は6月の前月差+13.6万人から7月に同+9.7万人へ減速し、2023年平均(同+19.2万人)を大幅に下回りました(図表2)。
また、政府部門については、7月に前月差+1.7万人と、6月の同+4.3万人から増勢が鈍化しました。
7月の失業率(家計調査)は4.3%と、6月(4.1%)から横ばいとの市場予想に対して、大きく上昇しました。6月にFOMCが公表した、2024年末の見通し(4.0%)や均衡と位置付けられる4.2%を上回り、労働市場がFOMC参加者の想定より早いペースで、減速していることになります。