先週の米国経済…個人支出は市場予想を下回る
米商務省が公表した2024年6月の個人支出(価格変動の影響を除いた実質ベース)は、前月比+0.2%と5月(同+0.4%)、市場予想(同+0.3%)をともに下回りました(図表1)。
実質個人支出を四半期ベースでみると、2023年10-12月期の前期比+0.9%から2024年1-3月期に同+0.4%へ減速した後、4-6月期は同+0.5%へ小幅に加速しているものの、均せば2024年入り後の消費は、低空飛行が続いていると判断されます。
2021年以降、経済活動が正常化に向かうなか、実質個人支出はコロナ禍に積み上がった過剰貯蓄の取り崩しや、労働市場の回復に伴う雇用増加及び賃金上昇などを背景に、コロナ禍前のトレンドを上回っていたものの、コロナ禍前のトレンドに沿って推移しています。
実質個人支出の内訳をみると、財支出は年末商戦の反動から、2024年1-3月期に前期比▲0.6%となった後、4-6月期は同+0.6%と1-3月期の落ち込みを取り戻した程度にとどまっています(図表2)。
加えて、サービス支出は増加基調こそ維持しているものの、増加ペースは鈍化しています。⻑く続いたコロナ禍からの経済活動正常化に伴うペントアップ(繰り越し)需要が、ようやく一巡しつつあります。