「なぜ?」で自問自答する…形容詞に逃げるな
あなたは映画を観たり、音楽を聴いたりした際に「ヤバい」という表現を多用していないでしょうか。日本人が使う抽象的な表現には、この「ヤバい」や「キモい」が代表的なものとしてよくあげられます。
しかし、これらの表現はいわゆる形容詞であり、本来であれば名詞をよりわかりやすくするために用いるものです。楽に思える形容詞に逃げず、それが「なぜヤバいのか」「どうヤバいのか」を考えると、物事の本質が見えます。
この行動の裏には「なぜ?」という探求心が介在しているのです。たとえば、あなたが友人とサスペンス映画を観に行ったとします。その後、友人から作品に対して「どうだった?」と質問を投げかけられました。ここで言語化がうまくできない人は「面白い」「素晴らしい」という感情的な意見・感想で終わってしまいます。
このようなざっくりとした意見・感想を具体化し、解像度を上げるためには「なぜ?」を意識するのが有効です。「なぜ、この作品は面白いと思ったのか」「なぜ、この作品は感動できるのか」と自問自答を繰り返し、理由を追求することで思考が整理され、相手に伝わる言葉へとつながります。
そして「なぜ?(=どうして)」を意識するうえで有効なのが、五感を使って表現する/周囲の人々の様子をもとに表現する/自身の過去や思い出と比較して表現するという3つの方法です。意見や感想を形容詞で片づけないためにもこれらを意識し、言語化していきましょう。
【ポイント】
●「ヤバい」といった形容詞に逃げない。
●「なぜ?」という自問自答を意識的に行う。
●自問自答により、思考が整理されていく。
●結果的に言葉の解像度が上がる。