話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

言語化にまつわる書籍などには「伝え方」について解説したものが数多くあります。しかし、伝え方は言語化の仕上げのスキルであり、まずは自身の思考を整理し、何を伝えるかを明快にする必要があります。今回は山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、日頃からできる「思考整理術」を2つ紹介します。

「なぜ?」で自問自答する…形容詞に逃げるな

あなたは映画を観たり、音楽を聴いたりした際に「ヤバい」という表現を多用していないでしょうか。日本人が使う抽象的な表現には、この「ヤバい」や「キモい」が代表的なものとしてよくあげられます。

 

しかし、これらの表現はいわゆる形容詞であり、本来であれば名詞をよりわかりやすくするために用いるものです。楽に思える形容詞に逃げず、それが「なぜヤバいのか」「どうヤバいのか」を考えると、物事の本質が見えます。

 

この行動の裏には「なぜ?」という探求心が介在しているのです。たとえば、あなたが友人とサスペンス映画を観に行ったとします。その後、友人から作品に対して「どうだった?」と質問を投げかけられました。ここで言語化がうまくできない人は「面白い」「素晴らしい」という感情的な意見・感想で終わってしまいます。

 

このようなざっくりとした意見・感想を具体化し、解像度を上げるためには「なぜ?」を意識するのが有効です。「なぜ、この作品は面白いと思ったのか」「なぜ、この作品は感動できるのか」と自問自答を繰り返し、理由を追求することで思考が整理され、相手に伝わる言葉へとつながります。

 

そして「なぜ?(=どうして)」を意識するうえで有効なのが、五感を使って表現する/周囲の人々の様子をもとに表現する/自身の過去や思い出と比較して表現するという3つの方法です。意見や感想を形容詞で片づけないためにもこれらを意識し、言語化していきましょう。

 

(出所)山口謡司著『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)
[図表1]形容詞を避けて言語化する (出所)山口謡司著『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)

 

【ポイント】

●「ヤバい」といった形容詞に逃げない。

●「なぜ?」という自問自答を意識的に行う。

●自問自答により、思考が整理されていく。

●結果的に言葉の解像度が上がる。

 

次ページ「たとえば?」で類似点を探る⇒具体化力がアップ

※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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