話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

言語化にまつわる書籍などには「伝え方」について解説したものが数多くあります。しかし、伝え方は言語化の仕上げのスキルであり、まずは自身の思考を整理し、何を伝えるかを明快にする必要があります。今回は山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、日頃からできる「思考整理術」を2つ紹介します。

「会話がうまくできない」のは思考が明確になっていないから

同僚や部下から何か意見やアドバイスを求められたとき、友人や家族との他愛もない会話の中で、振られた話題にどのように返せばよいか悩んだことはないでしょうか。

 

頭の中にぼんやりと浮かぶ考えはあるものの「おもしろい」「素晴らしい」「不安だ」「つまらない」といった感情的な意見・感想で、会話が途切れたという経験に身に覚えがある人は多いでしょう。このような頭の中の思考をうまく言語化できない人には、主に2つのタイプが当てはまります。

 

1つめは思考がモヤモヤするタイプです。このタイプは頭の中に意見や感想が浮かんでいても、他のさまざまな考え方や視点が絡み合ってうまく言語化できません。自身の発言によって相手が不機嫌になるのではないか、この話題を振れば相手に喜んでもらえるのではないかと、あれやこれやと考えてしまうことで、思考が知恵の輪のように結びつき、結局何を話せばよいかわからなくなってしまうのです。

 

一方、2つめは意見がぱっと出ない・何も思いつかないタイプです。このタイプは自身の思考が浅い(深められていない)/狭い(幅を広げられていない)ため、たとえ言語化したとしても簡素で深みのない言葉となってしまいます。

 

これら2つのタイプに共通する問題点は、思考が明確になっていないことです。そもそも、言語化がうまい人というのは、頭の中の考えがしっかりと整理されており、明確になっています。そして考えが明確だからこそ、意見や感想などを求められてもすぐに言語化できますし、相手が心から望んでいる効果的な回答につなげられるのです。

 

漠然と考えるだけの状態では、いざプレゼンや交渉の場のような本番を迎えても、うまく言語化できなくて当然でしょう。そうした状況から一歩を踏み出し、考えを明確にしていくには、浮かんだ考えの中から自身が本当に伝えたいと思えることを取り出す作業が必要になります。

 

そして、自身が必要とする思考を選別するためには、思考を頭の中で整理するという作業が欠かせません。そこでここからは、普段から意識できるような思考を整理する術についてご紹介していきます。

 

【ポイント】

●感情的な反応が多くなっていないか。

●頭の中の考えをしっかりと整理する。

●頭の中を整理すると思考が明確になる。

●明確な思考は相手へ効果的に伝わる。

 

次ページ具体的な情報を3つ挙げられるようにする

※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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