人が集中して話を聞けるのは〈4秒〉まで…“相手に伝わらない”を回避する「飽きられない話し方」の極意【大東文化大学名誉教授が解説】

人が集中して話を聞けるのは〈4秒〉まで…“相手に伝わらない”を回避する「飽きられない話し方」の極意【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会議や商談において良い意見を引き出したり相手の同意を得るためには「話し方」が重要になってきます。ポイントの1つが「手短に」話すこと。また「オノマトペ」を添えることも効果的だと言います。今回は山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、相手の心を動かす話し方の特徴を見ていきましょう。

人が集中して話を聞けるのは「40文字=4秒」

話が長く、ダラダラし、聞いていたくなくなる。そうした相手に「伝わらない」状況を回避する方法は「手短に話す」ことです。

 

営業担当者にとって、重要なのはクロージングです。説明は尽くした、理解も得られた、あとは相手に「OK」と言ってもらうだけ。なのに「本日はお時間をいただきありがとうございました。御社の新規事業において、弊社のこのサービスが必ずや役立つものであることは…」と、説明に戻ったかのような話を始めると、相手も現状がどの段階かわからなくなり、時間が来て「では、また次回」とあと一歩の踏み出しがないまま終わりかねません。

 

会議の場においても、「このテーマに関して世の中のニーズは…」「つきましてその要点は…」と、集めた資料の解説が延々と続けば「結局、要点は?」「この会議で何を決めたい?」と参加者は無駄に時間が消費されていると感じはじめ、良い意見は聞けなくなってしまいます。

 

「手短に話す」ためのコツは「結論から話す」ことです。1度や2度の対面や、数十分の会議で、相手の意見を変えたり、ゼロを1に変えたりすることはできません。そして相手を前にしてまずすべきことは「相手の話」を聞くことです。「伝える」ためには、ゴールの現状を知ることがスタートに立つことになるのです。

 

本当のスタート時であれば、「どうお考えですか?」から入ることも必要です。しかし、結論や判断を得たいクロージング段階や会議の場では、「私はこう考える」を最初に伝え、相手の「同意」「意見」「不同意の理由」を知ることが一番の成果となります。

 

同意を得られれば次の段階に進めます。意見を加味すれば、協力が得られるかもしれません。不同意の理由がわかれば、次の手がすぐに打てます。いずれにせよ一歩進めることができるのです。

 

では「手短」とはどの程度でしょうか? ベテランのアナウンサーは、TVニュースであってもラジオのように話すのを意識すると言います。「音」だけで伝わる言葉で、耳に残る音だけで「伝わる」よう心がけるそうです。その「音」は「1秒間に10音」で、たとえば「ありがとうございます」が1秒です。そして、人が一息で話せる言葉、聞く側が意識を集中できる音が「40音」「40文字」、つまり「4秒」が目安と言われています。

 

「この会議では本製品の価格を決めます。市場価格に対し高い設定です」。これで約40字です。会議のゴールが共有できた上で、参加者は「なぜ高いのか」を知りたくなり、次の発言を聞く準備が整います。

 

ポイント

●相手に「伝わらない」状況を回避する方法は「手短に話す」こと。

●「手短に話す」ためのコツは「結論から話す」こと。

●人が一息で話せる言葉、聞く側が意識を集中できるのは「40音」。

●最初の「4秒」でこれから何を話し、今、何を決めるのかを伝える。

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※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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