話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

話を振られてもうまく返せない、会話が続かない…思考をうまく言語化できない人に共通する「問題点」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

言語化にまつわる書籍などには「伝え方」について解説したものが数多くあります。しかし、伝え方は言語化の仕上げのスキルであり、まずは自身の思考を整理し、何を伝えるかを明快にする必要があります。今回は山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、日頃からできる「思考整理術」を2つ紹介します。

具体的な情報を3つ挙げられるようにする

世に出ている言語化にまつわる書籍には「伝え方」について解説したものが多くあります。しかし、伝え方はあくまで言語化の仕上げの作業です。基礎ができていないにもかかわらず、仕上げから始めていては、うまく応用できなくても当然でしょう。

 

そのため「どう伝えるか」を第一に考えるよりも「何を伝えるか」を考えることが先決です。ただし、単純に語彙力を鍛えればよいわけではありません。語彙を組み立てて、具体化していく作業こそが大切なのです。

 

ここでの具体化とは、言葉の解像度を上げるということ。たとえば、画素数の低いカメラで撮った写真は、ノイズがひどく鮮明ではありません。言語化にしても同様で、言葉の解像度が低いと話がぼんやりとしており何を伝えたいかわからなかったり、抽象的すぎて自身と相手が浮かべているイメージにギャップが生まれたりします。

 

言語化の定義は、自身の考えが相手にしっかりと伝わることであり、言い換えれば言葉の解像度を上げる作業こそが言語化における最も重要な行程だといえるのです。

 

その中で、誰しもが持つ言葉の解像度を上げられる話題があります。それは趣味や好きなものについての話題です。興味があることを話しやすく感じるのは、日頃から情報を頭の中にインプットしているからだといえます。

 

たとえば、あなたが野球を好きだったとしましょう。ほどほどに好きな人であれば「昨日の試合、熱かったよね」といった漠然とした感想で終わります。一方、趣味にしている人は「先制点は2塁ランナーの積極的な走塁意識によるものだ」「キャッチャーが打者に的を絞らせないリードをしたことで抑えられた」という形で、細部の分析まで行うでしょう。

 

裏を返せば、普段から無意識に行っていた「細かい情報を具体的に洗い出す」作業を、これまで興味がなかったジャンル・テーマでも意識的に行えば、言語化能力のアップにつながるともいえます。

 

そして、洗い出す作業を行う際のポイントは、具体的な情報を3つ挙げるということです。この3つの情報を、伝え方のテクニックによりうまく組み立てていけば、あなたの考えは相手へ最大限に伝わるでしょう。

 

【ポイント】

●「何を伝えるか」がはじめの一歩となる。

●具体化とは、言葉の解像度を上げること。

●趣味の話がスラスラと出るのは細部まで分析しているから。

●3つの具体的な情報と伝え方のテクニックを組み合わせる。

 

次ページ「なぜ?」で自問自答する…形容詞に逃げるな

※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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