ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】

ビジネスや人間関係で致命的な「ムダに話が長い人」という評価…改善するための「効果的な方法」とは【大東文化大学名誉教授が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

とても長い話を聞いたけど全然記憶に残っていない。こんな経験は誰にでもあるでしょう。実は「長く感じる話」には語彙が乏しいという特徴があります。ビジネスの場で話を理解してもらうために語彙力が欠かせないのはこのためです。ところが、大人になると語彙力を高めるのは難しくなります。一体どうすればいいのでしょうか? 山口謡司氏の著書『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋した内容から、語彙力を高める方法を見ていきましょう。

「語彙」がない人ほど話が長くなるワケ

ビジネスの場において「理解力」は欠かせません。これは、「理解する」と「理解してもらう」がセットになった能力です。

 

「理解する」ためには、相手の言葉を理解すること、自分の役目を理解すること、組織の方針を理解するなど、他者のアウトプットを正しく受け止める能力が必要です。「理解してもらう」ためにも自分を相手に正しく伝える能力が必要です。つまり、双方向のコミュニケーションを成立させる理解力を磨くには、語彙力を高める必要があります。

 

最初から自分の語彙力がどの程度かを見極めるのは難しいものです。相互のコミュニケーションに欠かせない理解力は語彙力に根ざしているので、他者の「理解してもらう」ための語彙力を観察することで、自分に置きかえた場合の参考点や反省点が見つかります。

 

注目したいのは、話の長さです。長い挨拶、長い説明、長い感想を聞き終わった後に、何も記憶に残っていないことがあります。それは、あなたに「理解する」ための能力が足りなかったというよりも、相手が「理解してもらう」ための配慮を欠いていたことに原因があったのかもしれません。

 

同じ意味合いの言葉をくり返す。無味乾燥な言葉ばかりで内容がない。つまり、「長い」と感じる話には、語彙が乏しいという特徴があります。理解力を伴わない長い話をする人には、語彙力が伴っていないことが多いのです。

 

自分に置きかえて、どんな時に話が長くなるかを考えてみましょう。会議で突然意見を求められたとします。議題も内容も把握はしていても、とくに明確な意見がない場合、とにかく頭の中の知識を絞り出すことに専念しがちです。しかしインプットしただけの知識は、アウトプットしても同質で同量のままです。あなたを介した意見になることもなく、ただ要素が並び、その説明時間はどんどん延びていきます。

 

そうした「長い話」を聞き終わっても、誰にも何も記憶されることはないでしょう。「理解してもらう」ための理解力が伴わない、語彙力の低い発言だったからです。

 

記憶に残らない発言を長く続けても、評価を得られない上に評価を下げることにも成り得ます。話は短いほどいいのです。さらに教養に根ざした独自の意見であれば、誰もが記憶に刻み、次の機会にも意見を求めることでしょう。高い語彙力は、短く、明確に、「理解してもらう」ための言葉を伝えることを可能にします。

 

【ポイント】

●相互理解は「理解する」と「理解してもらう」がセットで成り立つ。

●「長い」と感じる話には、語彙が乏しいという特徴がある。

●インプットしただけの知識は、同じ質のアウトプットしかできない。

●評価を得られる記憶に残る話をするには語彙力を高める必要がある。

次ページ語彙の取得数は25歳頃から減ってゆく

※本連載は、山口謡司氏監修の書籍『言語化100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

言語化100の法則

言語化100の法則

山口 謡司(監修)

日本能率協会マネジメントセンター

【日本人は「言葉にして伝える訓練」が不足している!】 「自分の考えをまとめるのが苦手」「言いたいことはあるのに言葉にならない」「何を言いたいのかわからなくなってしまう」「ありきたりな感想しか言えない」…などなど…

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