(※写真はイメージです/PIXTA)

熟年離婚や配偶者の死によって一人暮らしとなった高齢者は、急激な環境の変化が大きなストレスとなり、本人にさまざまな悪影響をおよぼすことが少なくありません。79歳の父親も、3年前に妻を亡くし、悲しみから「驚きの行動」に。父親の異変を感じとった長男が帰省すると、そこにはまさかの光景が広がっていたのでした……詳しくみていきましょう。

剛さん夫婦が“アポなし帰省”で目にした「まさかの光景」

剛さん夫婦が居間に入ると、明らかに使っていない真新しい健康器具や未開封の羽毛布団、高級ゴルフセットなど、溢れんばかりの「物」でギュウギュウになっています。

 

さらに、お風呂やトイレも剛さんにとっては過度なバリアフリー化が行われ最新設備が施されており、知らないあいだにリフォームが行われていたようです。

 

「おいおいおい……父さん、なんだよこれ……!」

 

剛さん夫婦が呆気にとられていると、玄関のほうからガサゴソと音がします。どうやら父親が帰宅したようです。

 

「……お、おい! なんでここにいるんだ! 誰が来てくれと頼んだ! いますぐ帰れ!」

 

見たことのない形相で、父親は顔を真っ赤にして怒鳴っています。剛さんと妻は追い返そうとする父親をなんとかなだめ、「大丈夫、怒らないから。なんでこんなことになったのか理由を教えてくれ」と懇願。

 

しばらくすると、父親は小さな声で、次のように理由を教えてくれました。

 

「母さんを失ってから、どうにも出かける気にならなくてな……。知り合いにも散歩くらい行けって言われてたんだが、コロナもあっただろ? テレビをつければ不要不急の外出がどうのこうの言ってるし、思うようにいかなかった。

 

それでさ、家にいても暇で、だんだんテレビばっかり見るようになってな。朝起きると毎日毎日、通販番組で……。そんで、気がついたらこうだ。いやあ、ダメだとはわかってるんだが、どうにもやめられなくてな……」

 

誰にも話すことができず、ひとりで悩んでいたと思うと、剛さんは怒りより同情の気持ちのほうが大きくなりました。心なしか父親が以前より小さく、寂しそうにみえます。

 

落ち着いた剛さんはその後、父親の資産状況を確認しました。父親は現役時代消防士で、消防署長まで昇り詰めました。60歳で退職した際には、退職金約2,200万円を受け取り、65歳からは月に約23万円の老齢年金を受給しています。本来であれば金銭的な不安は一切ないはずでしたが、通販やリフォームで散財した結果、父親の預金はすでに100万円を切っています。

 

「このままじゃ老後破産じゃないか……!」父親の老後に不安を感じた剛さんは、父の古い知人であるファイナンシャルプランナーのもとに連絡。今後のマネープランについて相談することにしました。

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。
【参照】
■独立行政法人国民生活センター「クーリング・オフってなに?」
(https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html)

■厚生労働省「仕事と介護の両立支援制度」
(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/index.html)

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