待望の第一子、理想のマイホーム…「幸せの絶頂」にいたA夫婦
夫「ほら! だから言ったじゃん! やっぱり賃貸のほうがよかったんだよ」
妻「なによ! あなただってノリノリだったくせに!」
この夫婦は、いったいなぜこんなに揉めているのでしょう。話は、2年前に遡ります。
夫のAさんは34歳で、年収は700万円。同い年の妻Bさんは年収400万円で、それぞれ都内の別々の会社に勤める、共働きの夫婦です。妊活を始めて3年目、Bさんはようやく待望の第一子を妊娠しました。
2人は子どもができたことから、マイホームについて話し合うように。当時住んでいたのは、家賃16万円の賃貸マンションでした。
Bさんは「せっかくなら持ち家にしましょうよ。どうせ家賃を払うのなら、この子に残せる財産として家を買ったほうがよくない?」と、賃貸マンションより、住宅を購入するメリットを強調します。
一方のAさんは「マイホームを買っても、結局毎年固定資産税がかかるし、長いあいだ住宅ローンを返さなくちゃならない。修繕費もばかにならないし、賃貸のほうがいいんじゃないか?」と、住宅購入のデメリットを懸念している様子です。
話し合いの結果、Bさんの熱気に圧され、2人はマイホームを購入することになりました。また、決め手となったのは、Bさんの次の言葉です。
「前にね、ウチのパパとママに家の話をしたら、『頭金は俺たちに任せろ』って言ってくれたの。一生住むんだし、せっかくならお金で我慢しないで、住みたいところに住みなさいって」
「えっ、そうなの? そうか、お義父さんたちが頭金を出してくれるなら……」
こうして、Aさんは購入を決心。それからというもの、2人はマイホーム探しに奮闘しました。
Bさんが産休に入ってからは特に熱が入り、1年かかってようやく「庭付き戸建ての理想のマイホーム」を見つけたA夫婦。同じ時期に「待望の第一子」も誕生し、最高に幸せな日々が始まるはずでした。
