学校行事は常に最前列…ひとり娘を溺愛していたAさん
会社員のAさんは、現在59歳です。3歳年下で専業主婦の妻Bさんと、都内近郊にある戸建て住宅に暮らしています。
2人にはAさんが38歳、Bさんが35歳のころに生まれたひとり娘のCさんがいます。2人はなかなか子宝に恵まれなかったこともあり、特に父AさんのCさんに対する溺愛ぶりは近所でも有名でした。
Cさんが中学を卒業するまでは、運動会や文化祭などの学校行事に必ず出席していたAさん。常に保護者席の最前列を確保し、持参したビデオカメラで愛娘の姿を余すことなく撮影します。思春期になったCさんは何度も「パパ、うざい! ストーカーみたいだからやめて!」と懇願しましたが、Aさんの“行事皆勤賞”はCさんが高校に入学するまで続きました。
また、Aさんは「娘にはさまざまな経験をしてほしい」と、幼いころからピアノや水泳、学習塾といったさまざまな習いごとをさせてきました。
反抗期のCさんは、こうしたAさんの“愛情”を嫌がり「一刻も早く家を出たい」と猛勉強。都内の大学に合格し、1人暮らしをスタートさせました。
「年末年始、帰るよ~」…愛娘の“久々の帰省”に大喜び
娘が実家から出てしまい寂しくなったAさんは、大学に入った娘に「1人暮らしは大変だろうから、週末はなるべく帰ってきなさい」と要求。
入学当初は、ホームシックもあり、Aさんの言うとおり電車で片道1時間以上かけて毎週のように帰省していたCさんでしたが、徐々に大学生活にも慣れ、帰省する頻度は減少。前年の正月に顔を出したきり、直近の夏休みも帰っていませんでした。
そんなCさんから、久しぶりにAさんに連絡が入りました。
「年末年始、帰るよ~」
1年ぶりに愛娘が帰ってくる! Aさんは大喜びです。
当日、Aさんは仕事のため、妻のBさんが車で最寄り駅まで迎えに行くことになりました。
Aさんは会社を定時ぴったりに退社し、自宅でわが子の帰りを待ちます。しかし、BさんとCさんはなかなか帰ってきません。
「2人で買い物でもしているんだろうか。それにしても遅いな……」
Aさんが待ちくたびれていると、ようやく玄関のドアが開きました。2人が帰ってきたようです。
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