(写真はイメージです/PIXTA)

2024年4月26日、米国で「外国敵対勢力に支配されたアプリより米国人を保護する法律」が成立した。この法律は外国敵対的勢力(foreign adversary)によって運営(支配)されるSNSを禁止する法律であるが、特にTikTokについては条文で明記する形で、外国敵対勢力に運営される限りにおいては、米国内でのサービス提供を禁止する内容となっている。TikTokは270日以内(大統領の認定により90日間延長が可能)に外国敵対勢力とされた現在のByteDanceなどの企業から外国敵対勢力と関係のない第三者へ売却され、ByteDanceなどの企業との提携などもすべて解消する必要がある。また、TikTokが禁止された場合に、ユーザーの利用可能なアカウントデータ(写真や動画を含む)をユーザーに提供することを求めている。本法の成立後、TikTokは法律の違憲性を主張して、米国を相手に訴訟を開始している。ニッセイ基礎研究所の松澤登氏が「米国のTikTok禁止法」について解説する。

3―裁判管轄権(3条)

本法に対するいずれの異議申し立てについても、コロンビア特別区連邦控訴裁判所に専属管轄権が帰属する。本法に対する異議は、同部門の制定日から165日以内に提起されなければならない。本法に基づく措置、認定、決定に対する異議は、その措置、認定、決定から90日以内に提起されなければならない。

 

4―おわりに代えて

本法の成立を受けて2024年5月7日にTikTokはコロンビア特別区連邦控訴裁判所において、米国司法長官を相手取って、本法は違憲であり、したがって無効であることを提訴した。より具体的には、TikTokは本法が アメリカ合衆国憲法修正第1条の表現の自由に反すること等を理由として、(1)本法が違憲であることの宣言、(2)司法長官が本法を執行することの停止命令を出すこと等を主張している。

 

前回の基礎研レターではEUでTikTokを規制する動きについて解説した。EUではその依存性について、特に未成年に見逃しがたい悪影響を及ぼすとして、TikTokをillegal contentsを提供するプラットフォームとして規制するかどうかの検討に入った。米国のいくつかの州も依存性を問題視して、禁止の立法を行う動きがある。

 

これに対し、米国(合衆国)ではTikTokが外国敵対勢力によって運営されていることをもって禁止することを決めた。これにはたとえば、TikTokを利用した政治工作や思想操作などの悪影響を懸念しているものと考えられる。

 

いずれにせよ、舞台は裁判所に移行した。裁判所がどのような判断を下すか、続報が待たれる。

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2024年6月17日に公開したレポートを転載したものです。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録