1―はじめに
2024年4月26日、米国(合衆国)で「外国敵対勢力に支配されたアプリより米国人を保護する法律」(以下、本法という)が成立した*1。いかにも米国らしいのは「外国敵対勢力(foreign adversary)」という用語を法律の中に書き込んでしまう点である。本稿では、本法がどのような内容なのかを解説したい。
まず、前提として、本法の立法趣旨として「外国敵対勢力の運営するアプリによってもたらされる合衆国の国家的安全を確保するための法律である。このようなアプリはバイトダンスまたはバイトダンスの傘下にある企業によって構築・提供されたTikTokおよびTikTokを受け継いだアプリ、サービスその他のアプリが含まれる」とする(下院立法時の前文)。すなわち、法律の建付けとしては外国敵対勢力のSNSを全面的に禁止する法律ではあるが、特にTikTokを名指しし、TikTokが中国資本下にある以上は米国での活動を許さず、活動継続のためには外国敵対勢力以外によって運営されることを求めている。
*1:Public Law No: 118-50 (04/24/2024) https://www.congress.gov/bill/118th-congress/house-bill/815 参照
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