「幸せなのに人生がつらかった」…思い悩む32歳女性が日本を飛び出しワーホリへ→“未知の世界“で気持ちがスッとラクになったワケ

「幸せなのに人生がつらかった」…思い悩む32歳女性が日本を飛び出しワーホリへ→“未知の世界“で気持ちがスッとラクになったワケ

周りから見れば恵まれているように見える。自分でも幸せだと思うのに、なぜだか生きるのがつらい…そんな女性は少なくないのではないでしょうか。まさにそんな状態に陥っていた美容師の鈴木彩さん(仮名)さんがオーストラリアのワーキングホリデーに行き、無我夢中で海外生活を送る中で様々な気づきがあったといいます。今回はその内容を、『安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(上阪徹著:東洋経済新報社)より再編集してご紹介します。

周囲を気にするストレスから解放

それにしても、鈴木さんの場合、さすがは手に職、である。シドニーに着いて2週間ほどで、あっという間に仕事は決まった。日本人が経営する美容室だ。

 

とはいえ、お客の2割ほどが日本人で、残りは外国人だという。日本語で、さまざまな情報が発信されているサイト「JAMS.TV」で見つけた。

 

「日本でもいちおう、下調べはして、何件かピックアップしておきました。ただ、どんな店なのかは実際に見てみないとわかりませんから」

 

現地に着いて、実際に店の前を通って、お店の雰囲気はどうか、お客さまはどんな人かを見た。それで、ここだと思った店で面接を経て採用された。給与は2週間に一度、払われる。日本より額面は高いが、生活面を考えるとむしろ足りないと感じている。

 

「日本人ご夫婦の家の一室を借りることができましたが、それでも家賃は週に300豪ドルです。交通費もバカになりませんので、家から職場まで歩いて20分というのもありがたかった」

 

所属する店をどんどん変えていく人も多い美容業界だが、鈴木さんは新卒で採用された会社にずっと所属してきた。ワーホリは思い切った選択だったが、鈴木さんをよく知る人たちからは、思わぬ反応が来たという。

 

「長く続けてきたので、アシスタント時代からお世話になっているお客さまもたくさんいます。その方たちに、ワーホリに行ってみようと思います、と伝えると、『あ、なんかいいと思う』とたくさんの方に言われて」

 

コロナ禍明けで海外に行くなんて、日本人的感覚でどう思われるんだろうという思いもあったが、逆だった。「行ってきなよ。でも帰ってきてね」とプラスに受け止めてもらえたと語る。それは、うれしい出来事だった。

 

「実はワーホリという選択肢も何も決まっていないときが、一番つらかったんです。結婚するのか、しないのか。子どもを持つのか、持たないのか。この先どうなるのか、自分でもわかりませんが、これから生きていかないといけないという不安が正直、つらかった」

 

それは自分が恵まれていたということに、気づいていたからでもある。

 

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※本連載は、上阪徹氏の著書『安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つけた若者たち

安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つけた若者たち

上阪 徹

東洋経済新報社

・実働6時間のブルーベリー摘みで月収50万円。 ・カフェでのアルバイト収入は週給10万円。 ・残業なしの介護アシスタントで月収80万円。 オーストラリア、カナダ、ニュージーランド……。コロナ禍が明けた今、日本を飛び…

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