今回は、医師が行う投資効率の良い不動産投資の例と、得られる収益その他のメリットについて見ていきます。

比較的容易にレバレッジ効果が得られる不動産投資

不動産投資となると、自己資金だけでできるというケースはそう多くはありません。当然、金融機関から借入れて物件を購入し、より大きな投資を行い収益の拡大を目指します。

 

とはいえ、金融機関から借入れをするとなると、きちんと家賃収入がなければリスクが大きいだけで結局は損をする、と考える人も多いかもしれません。確かに、不動産投資においてはある程度の専門知識も必要ですし、空室になってしまうリスクや、物件のメンテナンスなど手間やコストなどについてもきちんと考慮しておく必要があります。

 

ただし、ここで忘れないでおいてほしいのが、物件を購入するということは、少なくともその物件を売却すれば得られる資産を持つということ。つまり、融資を受けた金額のすべてが借入れになるのではないということなのです。

 

投資物件の利回りより借入金の金利が低くなるように設定しておけば確実に収益を得ることができるはずです。実は不動産投資というのは、比較的容易にレバレッジ効果を得ることができる投資なのです。

 

たとえば、月12万円の家賃収入がある物件が2000万円で販売されていたとします。これを自己資金500万円と借入金1500万円で購入し、年間の返済額は45万円だった場合、家賃収入は年144万円ですが、返済分が45万円ありますので実質的な収入は99万円。自己資金500万円に対する実質的な利回りは、99 万円÷500万円で19.8%にもなるというわけです。

 

どうでしょう? とても投資効率のよいものだと思いませんか?

 

医師であれば、使い方次第で不動産が付加価値を生む

さらに、医師であれば所有している不動産の使い方次第で、プラスαの付加価値を付けることができます。医療法人などを別にすれば、所有している自分の不動産を医院やクリニックなど医療関係の施設として使うことができるのは医師だけです。

 

筆者が資産運用をお手伝いしている医師の多くは、区分所有(いわゆるマンションの部屋を所有していること)であれ、一棟所有であれ、いずれのケースでも収益不動産のオーナーとして成功しています。

 

たとえば、筆者がコンサルティングをしている医師のひとりは、医師として忙しく勤務しながらゆとりのない生活を送っていました。それがある時、筆者と知り合い、思い切った投資によって、給料以外に家賃収入という不労所得を得るようになりました。これによって、これまであくせくと仕事をしていたのが、少しゆとりを持って医療の現場に臨むことができるようになり、病院や学会などでも認められる機会が増えたといいます。つまり、本業のほうにもいい影響が出てきたのです。それはやはり、不動産投資のひとつの効果といえるでしょう。

 

前回も述べましたが、まず、医師が医療行為を行うためには病院や医院、クリニックなどの場所が必要となります。何年、何十年も地域密着型でやってきた医院などを相続するならともかく、これから開業するのであれば、当然、場所探しから始めなくてはなりません。勤務医として勤務するかたわら将来的に開業が見込めそうな不動産に投資しておけば、いざ独立開業という段階になっても慌てる心配はありません。

 

つまり、購入した不動産からきちんと収益を上げるといった面でも、あるいは、購入した不動産を目的にあわせて改築し、医療の拠点として活用するといった面でも、医師にとって不動産投資はとても相性のいい資産運用だといえるのです。

 

 

本連載は、2013年8月25日刊行の書籍『なぜ医者は不動産投資に向いているのか?』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

なぜ医者は 不動産投資に向いているのか?

なぜ医者は 不動産投資に向いているのか?

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢化する日本社会で国庫支出の医療費は逼迫し、患者数は増加の一途。特に勤務医などは激務が続く。30代後半の勤務医の平均年収は2000万とも言われるが、税引き後の手取りは900万とも。さらに医療訴訟とは常に背中合わせ、つ…

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