(※画像はイメージです/PIXTA)

地主の相続対策として、よく使われるのが「贈与」です。しかし、贈与にはさまざまな種類がありますが、それぞれどのような違いやメリット・デメリットがあるのでしょうか? 本記事では、地主の相続対策における「贈与」について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。

まとめ:「贈与の目的」をしっかり定めよう

地主の贈与税について検討してきたが、地主の相続対策において、贈与は必ず検討すべき事項である。令和6年からは税改正により暦年課税と相続時精算課税の使い勝手が大きく変わった。特に高齢の場合には暦年課税の適用について慎重に検討が必要である。

 

そのほか、住宅取得資金贈与などの贈与もあるが、そもそも贈与をすることが「なにを目的とするか」が極めて重要であろう。

 

地主の場合においては相続税を減らす、次世代に納税資金を確保させるという点も大切であるが、個人的には贈与資金をもって次世代の育成に資することが最も重要であると考える。祖父母の資金にて孫の教育資金を支払い(あえて教育資金贈与を利用する必要もないと思う)、将来の当主として相応しい人物となるよう支援することが一族の長期的な発展に最も寄与すると思う。

 

その後、立派に成長を遂げ、住宅取得資金贈与においても受贈者の所得が2,000万円を超えており、そもそも要件を充足しないというような状況となるよう、積極的に育成のために資金を使い、課税資産を圧縮していくことが望ましい。贈与者からの大切な資金を受贈者が遊興費に使ってしまえば、せっかくの贈与が水の泡となってしまう。

 

したがって、贈与にあたっては節税の観点のみならず、なにに使うかも含めた検討が肝要である。

 

 

 

小俣 年穂

ティー・コンサル株式会社

代表取締役

 

<保有資格>

不動産鑑定士

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

宅地建物取引士

 

 

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