くも膜下出血で急逝した夫の〈生命保険金2,500万円〉、“非課税”のはずが…2年後に追徴課税1,000万円で50代専業主婦の妻、呆然「なにかの間違いでは?」【税理士が解説】

くも膜下出血で急逝した夫の〈生命保険金2,500万円〉、“非課税”のはずが…2年後に追徴課税1,000万円で50代専業主婦の妻、呆然「なにかの間違いでは?」【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

節税対策として有効な「生命保険金」。しかし、契約内容によってはむしろ多額の税金がかかってしまうケースは少なくありません。本記事では、A子さんの事例とともに生命保険契約時の注意について、税理士法人OGUの小串嘉次信税理士が解説します。

税務署でA子さんが指摘されたこと

税務署においての、A子さんと税務署の担当者とのやりとりは以下のとおりである。

 

税務署担当者「本日はご来署いただきありがとうございます。ご主人様のことはお気の毒で申し訳ないのですが、当方も事務を進めなければなりません。早速ではありますが、B生命保険会社との契約の経緯をご説明いただけますか?」

 

A子さん「ええ、義父がB生命保険会社から勧められて当時加入したものです。私が受取人になるという了解だけしました」

 

税務署担当者「そうですか。それでしたらお義父様がご自身で契約して保険料をご自身で払い込み、A子さんのご主人のご逝去を原因にA子さんが保険金を受け取ったことになりますね」

 

A子さん「そのとおりです」

 

税務署担当者「でしたら、この生命保険金は相続税の範疇ではなく贈与税の課税対象になります。」

 

A子さん「ええっ! なにかの間違いでは? 死亡保険金をもらってるのに、相続税の対象ではないなんて……そんなこと、考えられないと思いますが……!」

 

税務署担当者「はい、詳細をご説明しますね。よく聞いていただきたいのですが、保険料をご負担したのがお義父様なのでご主人様のご逝去をきっかけに、契約者のお義父様から受取人のA子さんへ保険金相当額の贈与があったと考えることになります。

 

もしもご主人様が払い込んだ保険料でA子さんが保険金を収受されていた場合、それは確かに相続税の範疇です。しかし今回のケースでは、お義父様が払い込んだ保険料はご主人様が亡くなられたことを原因に、実質的にA子さんへ財産移転しているので贈与税の課税対象になるのです。よく税務判断で間違えやすいケースではあります」

 

驚愕の事実を告げられ、しばらくのあいだ呆然とするA子さん。

 

A子さんが支払うことになった多額の追徴課税

結局、税務署の指導に従うかたちで、義父から保険金額の贈与があったとして保険金を受け取った年の贈与税の申告を行った。

 

贈与税額は、本税が945万円と無申告加算税および延滞税を合わせて1,000万円程度の追徴課税を支払うことになったのである。
 

 

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