くも膜下出血で急逝した夫の〈生命保険金2,500万円〉、“非課税”のはずが…2年後に追徴課税1,000万円で50代専業主婦の妻、呆然「なにかの間違いでは?」【税理士が解説】

くも膜下出血で急逝した夫の〈生命保険金2,500万円〉、“非課税”のはずが…2年後に追徴課税1,000万円で50代専業主婦の妻、呆然「なにかの間違いでは?」【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

節税対策として有効な「生命保険金」。しかし、契約内容によってはむしろ多額の税金がかかってしまうケースは少なくありません。本記事では、A子さんの事例とともに生命保険契約時の注意について、税理士法人OGUの小串嘉次信税理士が解説します。

相続税額の計算

夫の遺産の相続税額

まず、夫の預貯金を調べることから始めた。2,000万円であった。夫は4人の子供たちの学費を支払いながらも、よくこんなにたくさん残してくれたものである。A子さんは改めて夫に心から感謝した。

 

続いて、80坪の自宅の敷地について。評価は路線価価額で8,000万円。近ごろ、東京の地価は上がっているため、評価が高いのは仕方がない。しかしながら「小規模宅地の特例」の制度利用で80%の減額が可能となり、6,400万円が減額できる。結果、宅地の課税対象は1,600万円である。自宅の建物評価は1,000万円であった。

 

夫の主だった財産は以上であるため、相続税の課税対象は合計4,600万円となる。相続税の基礎控除は相続人がA子と子供4人で6,000万円取れるため、A子さんの試算では相続税は課税されなさそうである。

 

義父からの生命保険金の存在

ここでA子さんは2年前に義父が契約していた、夫を被保険者とするB生命保険会社の生命保険契約を思い出した。「確か私が受取人になっていたよな……」A子さんは義父に連絡をとり、生命保険金の請求を依頼した。

 

B生命保険会社社からほどなく、受取人A子さんの銀行口座に2,500万円の保険金が振り込まれた。受け取った夫の生命保険金2,500万円は、

 

相続税法上法定相続人5人×500万円

 

の計算で、別枠の生命保険控除2,500万円が取れることをA子さんは知っていたので、生命保険金は課税されない判断をした。

 

その結果、相続税の課税対象4,600万円、生命保険金の課税対象額0円、基礎控除6,000万円。ゆえに相続税申告納税額0円とする相続税申告書を所轄税務署に期限内申告を行った。

2年後に届いた税務署からの手紙

相続税申告書を提出してから2年ほどが経った秋、所轄税務署の資産税課から問合せの手紙が届いた。B生命保険会社との生命保険契約で確認したいことがあるから来署してほしいとの趣旨である。

 

期日が指定されてあったので、当日税務署に訪問することにした。

 

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