保有株式の購入理由には世代間格差
保有している株式の購入理由を聴取したところ、「株主配当が良さそうだったから」(50%)が最も多く、続いて「今後の値上がりが期待できる」(43%)、「企業の今後の成長に期待が持てる」(32%)となった。
これらはいずれの業種でも購入理由の上位3項目となり、部門による違いは見られなかった。一方、年代別では購入理由に違いが見られた。
「株主配当が良さそうだったから」など上位3項目では大きな差が見られないものの、「企業の評判がよい」は40~50代では18%、60代では16%であるのに対して、20~30代では31%と10ポイント以上の差が見られた。
また、「個人のSNS/動画サイトで薦められていた」は40~50代では5%、60代では1%とごく僅かなのに対し、20~30代では17%とこちらも10ポイント以上の差が見られ、SNSや動画サイトの影響が若年層で特に大きいことが確認された。
総合満足度の最高値/最低値のスコア差は部門間でギャップ大
自動車、銀行、証券、保険の各部門の総合満足度の平均スコアは671~690ポイント(1,000ポイント満点)で、いずれの部門でも600ポイント後半だった。
一方、最高値の企業と最低値の企業のスコア差を見ると、部門間で大きな違いがあることが分かった。保険、銀行、証券の3部門では最高値と最低値の差が100ポイント前後なのに対し、自動車部門では220ポイントを超えた。
自動車部門での乖離幅が大きい背景をファクター別に見ると、コーポレートガバナンス・コード関連の4ファクターよりも、「収益性/株主還元」、「事業内容と商品・サービス」、「財務安定性」といった一般的な投資評価関連のファクターでの評価の差がより顕著であることが分かった。
J.D. パワーグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門
常務執行役員 梅澤希一のコメント
「本調査は、個人株主が企業を中長期的な投資対象として信頼できるかの観点から満足度を評価するものであり、調査結果はコーポレートガバナンスを含む経営陣の成績表と言える。
コーポレートガバナンスについては、これまでは「取締役会における多様性」や「取引先との公正・適正な取引」など各論で取り上げられることが多く、株主による総合的な評価をデータで議論されることはあまりなかった。そのため、全体としての比較が行われにくく、各企業が切磋琢磨するインセンティブが十分に与えられる環境ではなかったと考えている。
本調査が各社の改善活動に向けた取り組みを促す一助となることを期待している。」
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