仮想通貨で億り人のはずが、地獄へ…「ビットコイン」を購入した36歳サラリーマン、税務調査で告げられた「多額の追徴課税額」に撃沈【税理士が解説】

仮想通貨で億り人のはずが、地獄へ…「ビットコイン」を購入した36歳サラリーマン、税務調査で告げられた「多額の追徴課税額」に撃沈【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

仮想通貨取引に対する税務調査が年々強化されていることをご存じでしょうか? 億り人を夢見て投資しても、税務上の脇が甘いと、痛い目に遭うケースは少なくありません。本記事ではAさんの事例とともに、仮想通貨に関する税務調査について税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。

投資に積極的なサラリーマン、税務調査でまさかの…

36歳のAさんは都内の企業に勤めるサラリーマンです。フルリモートで仕事をするような、比較的自由な職場です。出勤時間をとられないこともあり、土日だけでなく平日も趣味にあてる時間の余裕があり、興味のあることはいろいろと挑戦してみることも多く、有意義に過ごしていました。

 

そんなAさんが興味を持ったのは投資。株式、FXも経験がありますが、コロナの影響でテレワーク勤務になる前から、ビットコインなどの仮想通貨に投資をしていました。
 

仮想通貨に投資する仲間とも交流があり、情報交換をしながら、いろいろな取引所で投資をしていました。時には投資仲間にすすめられて海外の取引所でも取引をすることもありました。いつかは仮想通貨で億り人に……そんな夢をみて、日々せっせと投資に費やしていました。

 

そんな日々を過ごしていたあるとき、Aさんのもとへ税務調査がやって来ます。

 

過去7年分の申告において、申告が漏れている箇所について、指摘されたのでした。Aさんとしては、適正に申告していたつもりでしたが、取引所をいろいろなところで投資していたこと、そして、投資仲間のすすめで海外取引所で投資していたものの、そのままにしてしまっていたものもあったため、確認が漏れて、申告できていないところもあったのでした。

 

Aさんは、仮想通貨を売却して、日本円に換金したときは税金がかかることは理解していたのですが、仮想通貨をほかの仮想通貨と交換した場合、仮想通貨で商品を購入するために決済した場合なども課税されることをAさんは知りませんでした。

 

Aさんは、複数の取引所でやり取りする際に、資金移動をしたり、仮想通貨をほかの仮想通貨と交換したり、仮想通貨で支払ったりしていたことがこの数年間で度々あったのです。

 

それらが積み重なって、累計5,000万円の申告漏れが発覚しました。結果、約1,600万円の追徴税額となってしまい、がっくりと肩を落とすのでした。

税務調査で狙われる「海外投資」を行う個人投資家

国税庁は2023年11月に令和4事務年度、所得税および消費税調査等の状況について公表しています。そのなかのトピックスとして、海外投資等を行っている個人に対する調査状況やインターネット取引を行っている個人に対する調査状況について記載されており、仮想通貨についての調査件数は前年比138%という高水準で調査が行われました。調査があった件数は、615件であり、そのうち申告漏れ等があった件数は548件でした。
 

海外投資等についても国税庁は積極的な調査を取り組んでおり、調査件数も前年比136%と増えています。調査件数2,784件のうち、申告漏れがあった件数は2,475件。本人が適正に把握して申告しているつもりでも、海外投資は申告が漏れやすいポイントでもあるので、しっかり自信でも把握したうえで投資をしていくことが重要です。

 

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