部下に仕事をしてもらう際、スピードと完成度のどちらを優先すべきでしょうか。部下との関係性を築く上でも仕事の方針は重要です。今回は、横山信弘氏による著書『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)から、部下に仕事を任せる時のスピードと完成度の優先順位についてご紹介します。
「やる気」が「やらされ感」に変わる4つのプロセス
スピードよりも完成度、量よりも質を優先する思考がモチベーションの低下につながることもある。
したがって、たとえ部下が、依頼した直後は、「わかりました! すぐに取りかかってみますね」と言ったとしても、きちんと行動に移しているかを確認したほうがよい。
というのは、時間が経過することによって失われるものは、依頼の詳細だけでないからだ。最初はあったはずのやる気や熱量も急激に減少していくのだ。時間が経つと「すぐやろう」という感情が「まだやらなくていい」と変化する。
期限が近づいてくると「期限に間に合わなくてもいい」とう邪な考えまでが頭をよぎるかもしれない。こうなると歯止めがきかなくなる。
(1)すぐにやったほうがいい
(2)まだやらなくてもいい
(3)期限までにやらなくてもいい
(4)私がやらなくてもいい
このような4プロセスは、思考を負のスパイラルへと陥れるだろう。
(1)努力不足
(2)責任転換
(3)被害者意識の高まり
のプロセスとよく似ている。スピーディに始めれば浮かび上がらなかった「悪い思考のクセ」が、こうした悪循環を招いてしまうのだ。
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長
経営コンサルタント
現場に入り込んで目標を「絶対達成」させることを信条としている。個人のスキルではなく、マネジメントの力で目標達成できる組織作り、組織改革を成功させてきた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業に至るまで、200社以上を支援した実績を持つ。15年間で3,000回以上の講演、セミナーもこなす。『日経ビジネス』『週刊東洋経済』『プレジデント』など、各種ビジネス誌への寄稿、多数のメディアで活躍し、オーサーを務めるYahoo ! ニュース記事は年間1,000万を超えるPV数を誇る。メルマガ「草創花伝」は4万人以上の企業経営者・管理者が購読する。著書は『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの他、『「空気」で人を動かす』など多数。著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
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