部下を励ますための「不幸自慢」は“逆効果”…落ち込んでいる部下に上司がすべき「声かけ」のコツ【マネジメントのプロが解説】

部下を励ますための「不幸自慢」は“逆効果”…落ち込んでいる部下に上司がすべき「声かけ」のコツ【マネジメントのプロが解説】

誰しも仕事で落ち込むことはあります。部下が落ち込んでいるとき、上司はどのような対応をすべきなのでしょうか。そこで今回は、横山信弘氏による著書『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)から、落ち込んでいる部下への“適切な”対応を見極めるコツについて解説します。

落ち込んでいる部下に絶対やってはいけないこと

誰だって落ち込むときはある。特によかれと思ってやったことが裏目に出たり、努力の方向性が間違っていたりしたときには、いっそう強く落ち込む。部下がこのような状態にあるとき、マネジャーはどう対応すべきか。励ますのか? それともスルーするのか?

 

もちろん答えは1つではない。いろいろなケースで考えるべきであろう。ただ、どんなケースであってもマネジャーがやってはいけないことがある。それが「不幸自慢」だ。

 

「そんなことで落ち込むなよ。俺なんて、社長から『お前なんて二度と顔を見たくない』とまで言われたことがあるんだから」

 

部下を勇気づけようと、自分の過去の恥ずかしいエピソードを披露するのだろう。だが、ほとんどのケースで、上司の思惑どおりにはならない。

 

「落ち込んでいたって、何もいいことはない」

 

そんなことは本人が一番よくわかっている。頭では理解できているのだ。にもかかわらず、理性では感情をコントロールできないからこそ落ち込むのだ。自己嫌悪するし、自信喪失する。

 

そんな状態の部下に、不幸自慢したって気休めにもならない。もしも上司の不幸自慢ごときで気分が晴れるぐらいなら、部下はたいして落ち込んでいなかった、と捉えよう。

 

では、理性的になれない部下に、どう声をかけるのか? 部下自身に問題がある場合はスルーせず、教育し、時には叱咤激励するのが適切である。

 

逆に、部下自身の責任ではない場合は、軽い声かけにとどめ、基本的にはスルーする。それぞれのケースに応じて、適切な対応をとることが重要である。

 

それはなぜか? 具体的な事例とともに、解説していく。

なぜ「落ち込んだ要因」を誰かに話すとダメなのか?

まずは、自身の問題ではないケースだ。ビジネスにおいては、自分の思いどおりにならないこともあるだろう。というか、いろいろなことに挑戦している人は、そのほうが圧倒的に多いはずだ。

 

だからこそ、うまくいかないことがあったとしても気にすることはない。どんなに努力しても、無理なものは無理なのだ。最善を尽くして、それでも成果が出なければ仕方がない。大事なことは、やれることは全部やり切ったのかどうかである

 

マネジャーは、常にそのことを部下に伝えておけばいい。

次ページ「失敗体験」を思い返すことのデメリット

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録