過剰な自信に満ちた状態「馬鹿の山」に要注意
ダニング・クルーガー効果とは、能力や経験の低い人ほど自信過剰になる認知バイアスのことだ。「優越の錯覚」とも呼ぶ。
[図1]を見てほしい。仕事を少し覚えただけで、ちょっと実績を出しただけなのに、過剰な自信に満ちている状態が「馬鹿の山」である。
たとえば、SNSマーケティングについて知識も経験もまったくない場合は、多くの人は自信を持たない。「SNSなんて、やったことがない」「情報発信なんて、できる気がしない」と思い込む。
しかし会社の要請で、渋々始めたとする。そうすると、みるみるうちにフォロワーが増え、話題になったらどうか?
「センスがあるよ!」「お客様の間でも話題になってる。すごい!」と、周りにもてはやされる。本人も成果を出せば、ドンドンと自信を深めていくはずだ。
そして、「SNSを使って結果を出すことは、誰でもできる」「わからないことがあれば、何でも私に聞いて」と言い出すかもしれない。これがまさに「馬鹿の山」に登っている状態だ。
私もそういう経験は、数えきれないほどある。コロナ時代になってからYouTubeチャンネルを開設し、人気を博すと、多くのお客様から評価された。
「私も横山さんのように、動画で発信したい」「どんな動画を作ればウケますか?」と質問された。そうすると、これ見よがしに、「サムネイルはこうすべし」「タイトルとハッシュタグのつけ方が命」と自慢げに吹聴した。
その後、YouTubeコンサルに強烈なダメ出しをされるまで、自信過剰の状態は続いた。