※画像はイメージです/PIXTA

相続には、トラブルになりやすいパターンがあります。どのような場合にトラブルになるのか、その原因と対策を知っておくことは、トラブル回避の第一歩になります。みていきましょう。

「遺言」は相続トラブル解決の特効薬!

ここまで様々な相続トラブルのケースを紹介してきましたが、すべてのケースを読まれた方は相続トラブルの予防策には遺言の作成が重要であることが分かったと思います。相続トラブルのほとんどは遺言の作成によって解決することができます。

 

こんな時は遺言をのこしておきましょう。

 

・前妻、後妻の間にそれぞれ子どもがおり、子ども同士を争わせたくない

・認知した子がいて、その子にも財産を残してあげたい

・遺産争いが生じる可能性がある

・家業の承継と継続の希望がある

・特別に財産を多く与えたい人がいる

・夫婦間に子がいないので配偶者に全財産を相続させたい

・遺産を与えたくない相続人がいる

・遺産を寄付したい  等々

 

民法は財産を相続する側よりも遺す側の意思を尊重しており、遺言があれば原則は遺言通りの内容で相続が行われます。そのため遺言があることで揉める原因がなくなるのです。また遺言がなければ、原則法的相続人しか財産を相続することができませんが、遺言があれば相続人以外の人へも自由に遺産を分配することが可能となります。

 

このため遺言を作成することは将来の相続トラブルの火種を消すために最も有効な手段であるといえます。

 

ただしケース9のように遺言によっても解決でないケースもありますので、そういった際には信託といった方法を使うことで対応できる場合もあります。

 

このように遺言は相続トラブル予防に大きな効果を発揮しますが、「自分が死んだあとはすべての財産を配偶者に相続させるが、配偶者が死んだあとは自分の兄弟に相続させたい」といった二代先までの指定ができない点が遺言の限界であり、二代以上先までの遺産相続の方法まで考慮したい場合には「信託」を活用するとよいでしょう。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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