「子どもがいない夫婦」に起きる相続トラブル事例
相続は子がいると財産は基本的に子にいきますが、子がいない夫婦の場合には相続人の範囲が広くなりますので相続トラブルに発展する可能性が高くなります。ここからは子どもがいない夫婦に起きる可能性が高い相続トラブルの事例について解説します。
ケース8:妻と夫の兄弟姉妹の争い
家族構成:夫、妻
本人の資産状況:自宅(時価5,000万円)、預貯金(1,000万円)
その他:夫婦間に子はいないため、法定相続人は妻と夫の兄弟となる
【発生した相続トラブル】
夫と長年自宅で暮らしてきた妻は、老後の生活ために自宅と預貯金を相続するつもりだったが、法定相続人である兄弟が1/3の権利を主張してきたために相続トラブルに発展。
【原因】
夫婦間に子がいない場合には、第二順位の親や祖父母が相続人となり、親や祖父母が他界している場合には、第三順位の兄弟姉妹が相続人となります。 妻側からすると血縁関係がなく疎遠であることが多いため、夫の財産の一部が夫側の親族にわたることに納得がいかず争いごとに発展してしまうケースです。
【予防策】
遺言を作成することで子がいない夫婦間の相続トラブルを解決できます。特に故人の兄弟姉妹には遺留分がないため、本ケースでもすべての財産を妻に相続させるという内容の遺言があればすべての財産を妻が相続することが可能となります。
ケース9:配偶者側親族に財産が渡ってしまう
家族構成:夫、妻
本人の資産状況:自宅(時価5,000万円)、預貯金(1億円)、有価証券(1億円)
その他:夫婦間に子はいないため、法定相続人は妻と夫の兄弟となる
【発生した相続トラブル】
夫は資産家であり自分が亡きあとは妻に財産をすべて相続させたいと考えていたが、妻が将来亡くなった際に妻側の親族に財産がいってしまうことを懸念。そのため遺言に「妻亡き後は自分の家系の親族に財産を相続させたい」と記載したが法的効力がなく、妻側の親族と相続トラブルに発展。
【原因】
遺言では自分の次の相続までは分割方法を指定できますが二代先まではできません。本ケースでも子がいないため妻が将来亡くなった後のことまでを遺言に書いたのですが、法的効力がなく争いになってしまいました。
【予防策】
遺言では一代先までしか分割方法を指定できないため、二代以上先までの相続を考えたい時には「信託」を利用することで問題を解決できることがあります。
信託を活用することでたとえば、一次相続の権利は妻にするが妻が亡きあとの二次相続については自分の家系の親族に相続させたいという希望を実現することができます。
本ケースでも遺言ではなく信託を活用していればトラブルを未然に防ぐことができる可能性がありました。ただし信託も30年という期間設定が決められていますので本人が他界した後に妻が30年以上生きると希望を実現できないといったこともありますので注意が必要です。
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