株価が低迷しても慌てて投資商品を売ってはいけないワケ
米国株式型の最悪のケース(1999年2月末投資開始~2009年2月末投資終了)は、運悪くリーマンショック時の円建ての株価低迷期に投資が終了している。
実は、10年間の一括投資における元本割れケースの割合が15%で高いと思われるものの、これらのケースはすべてリーマンショック後の長期的株価低迷の影響を受けている。
リーマンショック後、世論からの批判や実態経済への影響の過小評価等もあり、各国政府の対応がかなり遅れたため、株価は4~5年に亘って低迷が続いていた。
特に日本では2012年11月まで円高の動きが続くなど、世界の株価回復に比べて、回復の遅れが目立っていた。
一方で、コロナショック時には多くの先進国政府は躊躇なく、大規模な財政出動をしており、経済活動の回復や株価の回復も早かった。
リーマンショック時の痛い経験が生きたものと考えられる。従って、今後はリーマンショックのようなことが発生しても、あれほどの低迷は続かないのではないかと期待している。
投資期間が長くなるにつれ、それぞれの投資対象は本来の特性に近いパフォーマンスを示す傾向にある。
投資期間が10年になると、債券型は最終時価残高の価格変動が小さくリスクが限定的であるが、そのため投資メリットは主に金利分などによるほんの少しの時価増加に限られてしまう。
株式型は価格変動が大きく、元本割れするリスクもある一方で、最終時価残高がかなり高くなる可能性もあるという投資メリットがある。万が一、リーマンショックのような金融危機に遭遇した場合、株価低迷が続いている中で投資を終了すると元本割れの可能性がかなり高くなる。
しかし、過去のデータを分析してみると、その場合も慌てて売るのではなく、むしろ余裕資金があればチャンスと見て追加投資をした方が良い結果となっていたことが確認できる。また、筆者は今後10年間、リーマンショックのように、株価低迷が数年間も続く金融危機が起きる可能性は低いと考えている。
ただ、あくまでも筆者の意見なので、投資期間が10年以下の場合、株式型への投資は定性判断等も踏まえ、慎重に判断することが大切となってくる。
投資期間15年の最終時価残高はどう推移するか
【15年間の一括投資】
投資期間15年で1,000万円を一括投資する場合、1989年10月末から一括投資を開始するケースから2008年12月末から投資を開始するケースまで、1か月ずつずらした231ケースの最終時価残高の結果を示したものが[図表3]である。
投資期間が5年、10年、15年と長くなるにつれ、最終時価残高の平均値が大きくなる。
投資期間15年で最終資産残高の平均値の大きい順にランキングすると、米国株式型、先進国株式型、全世界株式型、外国債券型、国内株式型、国内債券型の順となる。この順番は投資期間5年と10年のランキングとほぼ同様である。
投資元本1,000万円から、国内債券型が1,448万円、国内株式型が1,533万円まで増加しており、外国債券型が2,128万円で2倍以上に増加している。全世界株式型が2,603万円、先進国株式型が2,962万円、米国株式型が3,201万円と約3倍に増えている。
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