5年間の資産形成で選ぶべき投資対象とは
米国株式型を見てみると、最終資産残高の最大値のケース(1994年6月末投資開始~1999年6月末投資終了)は4,176万円で元本の4倍以上になる。
最大値のケースは投資終了時期が1999年で、米国IT関連企業の株価が急騰した時に投資終了時期を迎えた結果である。
ちなみに、米国株式型の最悪のケース(2006年9月末投資開始~2011年9月末投資終了)は612万円で、元本を大きく下回っている。
このケースでは投資終了時期が2011年で、2008年9月末に米大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、欧州債務危機が深刻化し、世界経済の不況と株式市場の低迷が長らく続いた時期である。
5年間という比較的短期間の資産形成で、低いリスクという安心を求めるには、株式型より債券型の方が良いが、債券型は元本割れの可能性があるのに、株式型並みの時価上昇は期待できない等、投資するメリットがあまりない。安心を求めるなら、預貯金の方が良いように思える。
株式型への5年間の一括投資の結果は、投資終了時点で経済状況や政治的なイベント等の様々なニュースによって投資対象の価格が大きく変わるので、短期的価格変動リスクが高く、運が良い場合は高い時価上昇が期待できる一方で、大きく元本割れするリスクもそれなりに高いと言える。
投資期間を10年間にすると債券型の元本割れリスクが0%に
【10年間の一括投資】
投資期間10年で1,000万円を一括投資する場合、1989年10月末から一括投資を開始するケースから2013年12月末から開始するケースまで、1か月ずつずらした291ケースの最終時価残高の結果を[図表2]で示す。
最終資産残高の平均値の大きい順にランキングすると、米国株式型、先進国株式型、全世界株式型、外国債券型、国内株式型、国内債券型の順となる。
投資元本1,000万円から、国内債券型が1,303万円、国内株式型が1,468万円と、あまり大きく増えていないが、外国債券型は1,681万円まで増えており、全世界株式型は2,151万円、先進国株式型は2,435万円、米国株式型は2,772万円と大きく増えている。
また、投資期間5年の場合に比べると、元本割れの可能性が小さくはなるものの、まだある程度存在する。
元本割れケースの割合では、国内債券型と外国債券型が0%で元本割れリスクがなくなり、全世界株式型、先進国株式型、米国株式型が約9%~15%でかなり元本割れリスクは小さくなっているが、国内株式型は48%とほとんど変わっていない。
また、投資期間が長くなると最大値と最小値の差が全体的に大きくなっていく。国内株式型と全世界株式型は2,000万円ちょっと、先進国株式型と米国株式型が3,000万円以上もあるのに対して、債券型は1,000万円前後にとどまっている。
一方、最終時価残高の最大値は、債券型がせいぜい2倍から3倍程度に増えるのに対して、国内株式型が4倍、全世界株式型と先進国株式型が5倍、米国株式型が7倍近くまで増えている。
米国株式型の最終時価残高の最大値のケース(2011年12月末投資開始~2021年12月末投資終了)は、リーマンショック後の長引いた株価低迷期、つまり価格が低い時に一括投資が行われた結果である。
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