ジェネレーション・レントとは
中国河南省のある家族が、家を買う代わりに1日140米ドル(約5,000バーツ。約2万931円)を支払って、ホテルのスイートルームに200日以上滞在していたという話がSNSで話題となった。
8人家族は以前のアパートを手放し、より手頃で“安心できる”ホテルの一室を新しい自宅として利用したのだ。
このニュースは主にSNSで大きく取り上げられたが、その理由は、世界経済の状況によって、世界各地で住宅を所有することがほとんど不可能になっている人々が大勢いるためである。
いわゆる“ジェネレーション・レント(借家世代)”と呼ばれる、不動産価格の高騰や経済的課題、あるいはより柔軟性を好むなどの理由で、持ち家ではなく賃貸を選ぶ若者たちはその数を増やし、イギリス、ドイツ、オランダからアジアを含む世界各地へと拡大している。
アジアの多くの国では、文化的・経済的要因が住宅動向に影響を与えている。これらの地域では、持ち家を持つことは人々にとって依然として重要な目標である。だが一方で、特に不動産価格の高騰だけでなく、住宅ローンを組むことが不可能に近い状況に直面している若い世代の間では、賃貸住宅が一般的になりつつある。
日本、シンガポール、韓国の3ヵ国は、アジアで賃貸住宅に住む割合が高い国である。タイも、若い世代のライフスタイルの変化や現状を背景に、これに追随する可能性が高い。
32%もの人が、住宅ローンの申請も厳しく…
タイには「小鳥は小さな巣を作る」ということわざがある。これは、予算に合わせて適切な大きさの家を購入する必要があることを意味する。
タイのシニア世代は、子供たちが自分たちと同じ道を辿ることを好み、また大きな借金は避けるようにと教えることが多い。しかし、たとえ小さな家でも大きな負担になることもある。また、家を持つと住む場所の選択の自由度が低くなると考える若者もいる。
大手不動産会社DDpropertyによる最近のタイ消費者信頼感調査では、経済的課題と高金利が消費者の金融流動性に影響を与えていることを強調している。
調査によると、十分な貯蓄がある人はわずか24%で、54%は希望する住宅の半分しか貯蓄がない。住宅ローンの申請も厳しく、金利は過去10年間で最高となっている。住宅購入希望者の半数以上(56%)が、障がいとして収入や不安定な仕事を挙げている。そして32%もの人が、住宅ローンを組むことが不可能なほど財務状況が悪い。
DDpropertyによると、住宅購入者の3分の2(64%)は、住宅を購入するための頭金となる十分な貯蓄がないため、賃貸住宅を借りている。さらに41%は、住宅は高すぎるので、流動性のために現金を持っていたいと考えている。
「DDproperty タイ不動産市場の見通し 2024」調査で分かった顕著な傾向の一つは、ジェネレーション・レントの拡大だ。長期のローンから解放されることだけでなく、賃貸を選ぶ人々は転居の際により柔軟な対応ができることを望んでいる。中国の8人家族のように、家やアパートを借りることでお金を節約したいと考える人も多い。
これは、賃貸住宅の需要があらゆるタイプの物件で増加していることを意味する。直近で挙げられている成長率は、2019年のパンデミック前に比べて147%である。
特にコンドミニアムの需要が最も高く、成長率は185%に達している。これは、借金を避けたい人にとってコンドミニアムが解決策のひとつであることを示している。また、一戸建てやタウンハウスの賃貸需要は11%増加している。
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