認知症の母に代わって、お金周りの管理をしていた長男
43歳になるAさんは、75歳の母親と実家で二人暮らしをしていました。3年前に父親が病気で他界したのですが、当時、一人っ子のAさんは父親の看病のため、自身が遠方へ転勤となったことを機に、それまで働いていた会社を辞めて実家の近くの職場に転職しました。というのも、母親が認知症を患っていたため、父親の病院のお見舞いや医師との面談など、Aさんが対応する必要があったためでした。
現在は引き続き、認知症の母親の面倒を見ながら、実家で暮らしています。亡くなった父親は、地元では有名な地主だったため、母親の介護をしながらも、転職前よりも年収は下がりましたが、無理なく仕事をして、問題なく生活ができるゆとりがありました。
Aさんは父親が亡くなったとき、相続が大変だということを痛感していたため、母親のときもきっと大変だろうと、少しでも節税できないかと思案を巡らせていました。
母の資産2,000万円を「日常の生活費」としてコツコツと出金
Aさんは認知症の母親に代わって、生前父親が病気で入院していた当時から、家のお金回りのことは対応していました。そのため、実家の資産状況はある程度わかっていました。そこで、Aさんは生活費などすべてのものを母親の通帳から引き出しをして生活するようになりました。
一緒に暮らしているので、日々の生活費を母親の預金から引き出しても問題ないだろうと考えていたのです。
加えて、母親の通帳から現金で引き出したなかから、Aさん名義の通帳に贈与として毎年、110万円の入金もしていました。
こちらはもともと子供のころから母親が貯めてくれた通帳で、母親が認知症になったあとは、Aさんが引き続き、同じように自分で入金していました。
そうして、8年ほど経過したころ、Aさんの母親も他界してしまいます。Aさんは自分の仕事に余裕があったため、母親の相続税の申告は父親のときの申告書を参考にして、Aさん自身で作成して提出しました。
それからさらに2年後、Aさんのもとへ税務署から税務調査の連絡が届きます。
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